惑わせる彼Ⅴ【紫】 (ページ36)

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追い込みスギページ36

店長「ちょっと待ってください。それは・・・」

なんだか、
さっきから電話での店長の声が聞こえてくる

すごい剣幕だし、なにかあったのかな？

店長「これ以上のご意見は不要です。それでは失礼します」

『店長、何かあったんですか・・・？』

店長「・・・落ち着いて聞いてほしいんだけどさ。さっきもまたクレーム。」

『ま、また！？』

店長「たぶん、アルバイトへの嫌がらせだと思う」

『そんなに、私は何かしたんでしょうか・・・。』

少しいやかなりショック
こんなに長期間でバイトをやってるのに
接客や対応でクレームをもらったのは初めてだし。

かなり辛いんだよなぁ

『私、向いてないんですかね』

店長「Aさん個人を狙ったようなクレームしか来ないんだ、おかしいよ。」

『ってことは、あくまでも私個人だけのクレームなんですね』

店長「なにか恨みとか買うような相手、いないよね？」

『いないとは思いますけど・・・。』

私が恨みを買うなんて、そんなことはないと思うんだけど。
あ、まさか。

渡辺「お疲れ様っす。なんすかこの空気」

『あぁ、渡辺君。お疲れ』

店長「この間相談したクレームの件。さっきまた電話来たから注意したんだ」

渡辺「あぁー。Aには直接危害はきてないっすか」

『うん、でも最近多いからちょっとへこむよね』

渡辺「・・・俺、少しだけ心当たりがあるんすよ」

重い空気の中で、渡辺君がバイト着に着替える前に口を開いた
心当たり？

『ちょっとまって？心当たりって、何言ってんの？』

店長「詳しく聞かせてくれる？渡辺君」

渡辺「たぶん、俺の高校の後輩たちっす。まぁ、目黒のファンかと」

『あ、ファンの子。でもそんなことって』

渡辺「ありえんだよ。」