惑わせる彼Ⅴ【紫】 (ページ42)

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そわそわしスギページ42

『変じゃ、無いかな・・・。』

渡辺君から誘われたお出かけの日がついに来てしまった

正直緊張はしてるよ？

どこに行くかは教えてくれなかったけど
好きな服着てこいだなんて言われちゃったし。

クローゼットの中から何とか見繕って
お気に入りの淡いブルーのロングワンピースに袖を通す。

前と同じく家に迎え行くと言われたし、
渡辺君の寝坊を考慮してちょっとだけゆっくり支度しよう。

『アクセはー、今日は何を付けようかな』

ジュエルボックスに視線を落とすと、少ないながらも
自分のお気に入りのアクセサリーが並んでる

佐久間先輩からいただいたお花のネックレスに

深澤先輩から贈られた紫のリング。

『うーん。まぁシンプルなこれかな。』

ありきたりだけど
一番の使用率を誇るシルバーネックレスを手に取り自分の首に回す

うん、いい感じ。

コートは紺色のロングコートにしようかなー
寒いかな、マフラー出そうかなー

なんて色々考えてたら、玄関のチャイムが鳴った。

あれ？

迎えに来る時間より少しだけ早い？

『うっそ。ほんとにしょっぴー？』

渡辺「よ。おはよ」

『寝坊してない、寝ぐせもない。おしゃれしてるし。』

渡辺「馬鹿にしてんのか？おい」

『・・・今日、傘持ってく？』

渡辺「雨降らねーわ。」

支度を済ませて、玄関を開けると
いつもよりしっかりと髪をセットした渡辺君の姿があった。

茶色のダッフルコートに、少し寒そうな耳元には
いつかぶりのピアスが揺れてる。

なんだか知らない、チャラいお兄さんみたいだな

渡辺「心の声漏れてるけど？俺そんなチャラいか？」

『いや、なんか拍子抜けしちゃって。行こうか！』

どうやら楽しみにしてたのは私だけじゃないみたいだ。

渡辺「じゃあ取りあえず駅いこ。そっから移動な」

『はーい、いってきまーす！』