惑わせる彼Ⅲ【紫】 (ページ8)

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浅ましいページ8

11月に入り、私も徐々に新人のラウール君や目黒君の教育が板についてきた
二人とも飲み込みはやくて驚きが隠せない

店長「Aさん、来週の土日は大学生の子が入りたいらしいからお休みでいいよ？」

『え、いいんですか？』

店長「先月からいっぱい入ってもらってるし、かまわないよ。」

・・・なんて言われたけど、何して遊ぼうかな。
誰かを遊びに誘おうかと思っていた矢先、携帯の通知が鳴った

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渡辺「ねー、来週暇？」

『店長からおやすみ貰っちゃった。暇だよ』

渡辺「ナイスタイミング文化祭行かない？」

『文化祭？？どこの？』

渡辺「須能大学。」

『いいね。岩本君は時間あるかな』

渡辺「今日学校で聞いたら暇だってさ。」

『やった。楽しみにしてるね』

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大学の文化祭か、初めて行くし楽しみだなぁ
最寄りの大学だし繁盛してるのは知ってるから毎年どんな様子か気になってたんだよね

まぁ、一つの懸念があるとしたら
須能大学でまた深澤先輩と結城先輩に会うんじゃないかっていうことかな

・・・正直、会いたくないんだよ

あんなにイチャついてた二人にどんな声をかければいいのかわかんないし
気まずいって。

なるべく彼らに会いそうな学部の棟には近づかないで過ごそう
制服じゃなくて私服にして、髪型も少し変えよう

もうフタをした感情を掘り返すのは、私には辛すぎる

『これ以上、踏み入れるのはやめるべき。だしね』