惑わせる彼Ⅲ【紫】 (ページ23)

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まぶしいページ23

花火が終わってしまった。
せっかく参加していたナンバリングのイベントも、締めきっちゃったかぁ・・・
自分の頬に伝って落ちた涙を拭いて、なんとか明るくふりまく

『あー、すっきりした。失恋しちゃいましたね私！』

佐久間「大丈夫？落ち着くまでまだいていいよー？」

岩本「そうそう。急いで帰る必要もないし」

渡辺「俺帰ってもどうせ勉強しねーわ」

『いや、そこは勉強しようよ、受験生・・・。』

もう俺疲れたー！なんていう渡辺君たちを見てると
少しだけ元気が戻ってくるみたいだ

でも、そろそろ帰らないとね

佐久間「んじゃ、Aちゃんは、もう帰っちゃうのかぁ。」

『はい。佐久間先輩、今日一日ありがとうございました。』

渡辺「じゃあ帰ろ。」

岩本「・・・俺はもうちょっと、佐久間と大学探索してくわ」

佐久間「え？照まだ大学居るの？つーか俺もって？？」

岩本「いいから。だから翔太がA送っていって。」

少しクシャっと笑いながら、私と渡辺君をみて帰るように促した
岩本君はまだ大学にいるのかな？えらい熱心だなぁ

『じゃあ、岩本君とはここで。今日はありがと！』

岩本「こちらこそ。気を付けてね」

渡辺「ほら、行くぞ。」

夏のオープンキャンパスの時と同じように、大学の門に二人で歩いていく
今日は一日色濃くて情報量がすさまじい。
疲れてしまったな・・・。

渡辺「もうあいつはいない・・・かな。」

『あー・・・深澤先輩？今頃彼女さんと一緒じゃない？(笑)』

渡辺「彼女、か。」

少しだけ冷たくなってきた秋の風を感じながら、暗くなってきた道を歩く
きっと、この大学に私が来ることはもうない。

さようなら、かな？

渡辺「Aさ、新しい恋とかはいいの？」

『だって、今さっき私盛大な失恋したんだよー？』

渡辺「もし、いい人がいたら？その気は変わんの？」

『何、？どうしたの渡辺君、恋バナしたいの？(笑)』

渡辺「・・・・・いやあ、いいよ。何でもないわ」