惑わせる彼【紫】 (ページ6)

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か、か、かわいい！？

前言撤回。
そんなことさらっと言っちゃうだなんて、この先輩、とんでもなくチャラいな。

はるな「ちょっと深澤先輩！Aはそういう扱い慣れてないんだからだめですって」

深澤「ん？俺はただ本心言っただけだよぉ～！ゎら」

はるなの忠告になんて耳を傾けず、徐々に私と深澤先輩の距離が近くなっていく。

顧問「おい深澤！そろそろアップ始めんぞ」

深澤「へーい。・・・・じゃあAちゃん。試合で俺のこと見ててねぇ」

『は、はい！』

私の勢いがいい返事を聞いて、どこか納得した顔で部員とのアップに参加しにふらっと走っていく。

はるな「いやぁ、A、深澤先輩に気に入られてたね(笑)」

『初めて見た先輩だったし緊張したわ・・・・』

はるな「なに？先輩の事気になっちゃったわけ？」

『まさか！私美術部の人以外の先輩と話したことなかったから緊張しただけ。』

はるな「そーお？じゃあ、試合始まるまで深澤先輩の話してあげるね」

私たちは体育館の二階バルコニーが応援席になっていたので、
その最前列に陣取ってバスケ部のアップを見つめる(はるながガンガン押し込んできたんだけど)

話を聞くと、
深澤先輩はこのバスケ部の主将で同級生はもちろん、下級生からも人気のある人らしく
学校で知らない人の方が少ないらしい。

見た目もちょっとチャラいし、
特定の彼女は作んないけど、いつも女の子が近くにいるため
今回みたいに定期的なバスケ部の試合には多くの応援、という名の取り巻きの人たちがいっぱい来ている・・・らしい。
今も一階の応援スペースには赤の体育館履きを履いた女の子たちがいっぱいいる。

はるな「ちなみに、私の愛しのひーくん。あ、岩本君はあそこね！」

と、はるなが、アップが終わって各自休憩している群れの中の一人を指さす。

赤のゼッケンを着ていて、こんなに遠いバルコニーから見ていても
周りの部員よりも体が大きい、岩本君。

はるな「ひーくんはね、隣のクラスの二組なんだよ！バスケ部の次期エースって言われるくらいバスケ部の中でもうまいし、カッコいいんだぁ・・・♡」

もう、完全に隣のはるなの目がハートになっている。
あぁ、これが恋している女の子の顔か。

『そうなんだ・・・好きなんだねそのひーくん。』

はるな「いやいや！別に好きとかじゃないんだってば！」