惑わせる彼【紫】 (ページ37)

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『あ、甘やかす？』

深澤「本当はね？俺と二人っきりが良かったと思うんだけど」

『いや、それはないんで大丈夫です』

深澤「ちょっと待って最近Aちゃんが冷たい！！！」

ほんと、自宅前に急に来るなんて許してないですからね。
ちょっとだけ冷たい対応にもなります、反省してください

佐久間「んで、ふっかは何してAちゃんを甘やかすの？」

『いや、別に甘やかしてもらわなくても・・・・』

深澤「まあとりあえず夕飯食べに行こ、そこからちょっと考えてっから！」

自宅に突撃してきたものの、あまりプランは考えていないみたいだ。
じゃあなおさら何故来たんだこの人は。

そこから連れられて、三人で来たのは駅からすぐのラーメン屋さんに入る
少し一見さんには入りにくいような空間だなぁと思っていたお店で、ちょっと緊張する

『ここはいつも来るお店なんですか？』

深澤「そー。ここね、俺が常連のお店なの」

佐久間「ふっか、いっつもラーメンばっかだよね！」

確かにこの間も食堂でもラーメンたべてたな
今も深澤先輩は私に慣れた手つきでメニュー表を渡してくる。

ラーメンが届くまでは、ずっと隣に座っている佐久間先輩に質問攻めをされた

佐久間「ねえねえ、Aちゃんはさ、趣味とかないの？」

『うーん、私あんま趣味ないんです。今も受験用に本を読んでるだけで』

佐久間「あ、それ聞いたよ！えらいねぇ、椿沢女子大の小論文対策なんでしょ？」

『え、佐久間先輩なんでそんなに詳しく知っているんですか？』

あ、やっべ！と顔に出す佐久間先輩
私この人には一切進路の話はしてないよね？

佐久間「えぇと・・・あのね、翔太とふっかから聞いたの。ごめん、ね？」

『待ってください、深澤先輩ならわかりますけどなんで渡辺君が？』

佐久間「あいつ、めっちゃ焦ってたよ？てっきり俺らと同じ須能大学だって思ってたし！」

『あぁ・・・そういうことですか』