惑わせる彼【紫】 (ページ36)

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甘やかさないでページ36

渡辺君と、岩本君と、そしてなぜか佐久間先輩と深澤先輩の五人で
花火をすることになってしまった。

夜に近所の公園でやることになったし、それまでは休暇を満喫しちゃおうかな
家でゆっくりしようと思っていた矢先、急に電話がかかってきて、思わず携帯を落とした

〈深澤辰哉〉

『もしもし？どうしました？』

深澤「あ、Aちゃん今何してるー？」

『何って・・・普通に家でゆっくりしてますよ』

深澤「だと思った！ちょっと外見てみてよー！ゎら」

『外？なぁんで急に外なんて・・・まさか』

すっぴんに眼鏡で部屋着という脱力系の格好をしているのに、
嫌な予感をして慌ててカーテンを開ける

深澤・佐久間「サプラーーーーイズ！！！！」

や、やられた・・・・
休みの日の女の子の家の前に、アポもなしに来るなんて！！！
目が合った二人が家の前で騒ぎ出しそうなので、つながっている電話に文句を入れる

『ちょ、ちょっと！！なんで家の前にいるんですか！？』

深澤「花火の時間までまだあるじゃん？だからせっかくなら遊ばないかなぁって」

『それにしても急すぎます！メイクしないと！』

佐久間「ねー、Aちゃん。機嫌直してぇ？ふっかがうるさかったんだもん」

『・・・許してませんから。』

あれから急ピッチで支度を済ませ、家の前で待つ二人に合流する
時刻は夕方ごろ。待ち合わせしていたのは夜の20時だったはずだよね？

この人たちどれだけ花火楽しみにしてんの？
目もなんかキラキラしてるし

『じゃ、渡辺君とかも今から呼んでみます？』

深澤「うーん、あいつらは夜呼ぶからいいっしょ。今は全力でAちゃんを甘やかす番」

佐久間「そーだそーだ！佐久間もまだあんま話してないからなかよくしたぁい・・・」