惑わせる彼【紫】 (ページ30)

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入り込まないでページ30

先生「Aさん、この成績なら、前に興味持ってた大学に学内推薦で行けるかもよ。」

深澤先輩のおかげで真剣に進路を考えるようになった、あの日から数週間。
進路相談室に住み着いて見つけた、自分のやってみたい分野を相談してみたら
思いがけない提案を受けた

『え？学内推薦・・・ですか？』

先生「そう。学年内で各大学への希望学科の枠があれば、挑戦できるやつね」

『でも、学内推薦ってかなり厳しいんじゃなかったでしたっけ？』

先生「そりゃ、高校の名前を背負って大学に推薦されるんだから、自己推薦なんかよりも厳しいわよ」

『でも・・・チャレンジしてみたいです。私は何を対策すればいいんですか？』

先生「とりあえず、秋にある学内選考の対策だね。小論文。」

進路相談室の奥底に眠っていた
小論文対策用の傾向冊子や活用ブック、語彙辞書を抱えて持ってきてくれた、担任の先生

先生「Aさん、急なことだから戸惑っちゃうかもしれないけど、対策あるのみだよ」

『うっわ・・・私小論文とか書いたことないです、どうしよう』

先生「意見を述べることはAさん得意そうだから、あとは人を魅了できるようにまとめること。」

じんわりと、自分が向かうべき進路の方向性に気づけた夏休み直前。
来週には期末考査を迎えたらあっという間に、高校最後の夏休み
この調子だと、深澤先輩たちと遊ぶのはキツそうだな・・・・。

・・・・・・・・・・・・

『それじゃあ、再来週の土曜日は急遽バイトお休みいただきます』

店長「うん、大丈夫だよ。進路にかかわるんだし安心していってきて」

事務所で店長にお願いをしていた時、ちょうど渡辺君が出勤してきた。

渡辺「おつかれさまでー・・・何？再来週休むの？」

『あ、そうなんだ。迷惑かけちゃうけどごめんね』

渡辺「いや、いいけどさ。何事？」

『行きたい大学主催の進路相談会と対策イベントに参加。朝からずっとだよ～』

渡辺「A、進路決まったの？」

『ありがたいことにね。高校の先生のおかげなの』

渡辺「ふーん。じゃあ俺もそのイベント行こうかな」

店長「渡辺君は行けないよ(笑)」

渡辺「なんすか、店長。俺が馬鹿だって言いたいんすか？？」

店長「いや、そうじゃなくて」

『だって、女子大だもん』