惑わせる彼【紫】 (ページ14)

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店長「おー、お疲れ様。二人そろってギリギリなんて珍しいね。」

『お、お疲れ様です店長・・・・』

渡辺「っはぁ～・・・・クソ疲れた。」

あの後結局岩本君と早々に別れ、駅からダッシュして何とかバイト先に到着した。
いやぁ、まさか中学の同級生とバイトの同期が同じ高校だなんてね。
もっと話したかったなぁ。岩本君と。

渡辺「なぁ、あのさ」

『ん？どうしたの渡辺君。私がレジ担当でしょ？』

渡辺「いや、さっきさ。照がAって呼んでたでしょ」

『あー、まぁ中学二年の時から仲いいからね私たち。』

渡辺「・・・おれもさ。俺もAって呼んでいーい？」

ビックリした。渡辺君はいつもなら苗字か、なぁとか、おいとかでしか呼ばないのにね。
私と岩本君が仲良く話してたのうらやましかったのかな。(笑)

『いいよ。なんて呼んでくれても。』

やった、と小声でいう渡辺君は、やっぱりなんかかわいいな。五歳児みたい。

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21:00
今日も何とかバイトが終わった。
いそいそと帰宅の支度をしていると、何かが足りない。
そうじゃん。さっき渡辺君と走って気付かなかったけど、私自転車駅前に忘れてきてんじゃん。

『最悪。お母さんに連絡入れて今から自転車取りに行くかぁ。』

あれがないと明日駅まで歩かないといけないし、面倒なんだよな
やれやれ・・・

渡辺「え、A駅に行くの？」

『んー。自転車おいてきちゃったから、取りに行かないと。』

渡辺「そっか。んじゃ俺も駅まで行くわ」

『え？なんで？渡辺君は帰りなよ』

渡辺「バーカ。駅前のコンビニに行きたいだけ。」

そう言いつつも、車道側を歩いてくれる渡辺君。なんか優しすぎて疑っちゃう

『ありがとう、無事に駐輪場到着しました。』

渡辺「はいはい、気を付けて帰れよ。A」

『渡辺君も。早くコンビニ行って帰りなよ』

渡辺「うっせ。じゃあな」