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｢〜♪︎｣
鼻歌を歌いながら先程借りた本を抱きしめて廊下を歩く。傍から見たら眼鏡をかけた髪の長い地味女が妙にウキウキしながら本を抱きしめて歩いている変な状況。変な女子生徒と思われるかもしれないけれど関係ない。
何ヶ月も前から気になっていた本にやっと手を出せたんだ。これくらい別にいいだろうと勝手に自己完結する。
｢...あ、Aさん｣
｢...！藤士郎くん、こんにちは〜！｣
声のした方を見てみるとそこにはクラスメイトの藤士郎くんが。嬉しくなり思わず小走りで駆け寄ってしまう。
「今日は晴くんと一緒に居ないの？」
「あ、今日は委員会らしくて居ないよ」
「あ、そうなんだ...あれ、藤士郎くんはなんで此処に？」
「嗚呼、図書室に来たんだよ。借りたい本があって」
「そうなんだ...！」
いつも通りのたわいのない会話を繰り返す。最近の調子はどうなのか、最近新しいいい美容品を見つけた、だとか。
「...あ、藤士郎くん、ごめん...！！！時間…」
気になってチラッと時計を見ると針は休み時間終了5分前を指していた。
「嗚呼、大丈夫だよ。次の休み時間に借りにくるから。」
「本当にごめん…今度出かけた時何か奢る...」
「いや、気にしなくていいからね！？」
そう会話している合間にも時間は進んでいて。再度時計を見ると3分前でお互い顔を合わせて「ヤバい…」と小走りをする。偶然にも先生とはすれ違わずお互いチャイムが鳴る直前で教室に入れたのだった。
(...セーフですよね、先生！！？)
(...本来はアウトだが…まあ、いいだろ。今回だけだぞ)
(ありがとうございます...！！)
続く (更新停止中)
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