すきなひとのすきなひと_としみつ ページ10
わたしのすきなひとの、すきなひと。
例えばサラサラの髪の毛とか、白過ぎる肌とか、なんだか溶けて、消えて、無くなりそうで、
その女が嫌いだった。
*
「女子から嫌われる女って怖くない？」
くるり、と髪の毛を指に絡ませる。
「なんで？」
「裏ありそう、てかあの子はあるけど」
「はい嫉妬ー、あの子が美人だからって」
「別にいいけど……」
その女は、男子にはやたら好かれて、でも女子からは嫌われるという典型的なぶりっ子、というか。
自分の使い方をわかってるとでも言おうか。
まあとにかくわたしもその女は嫌いだった。
幼馴染のとしみつがその子のことを好きという。
「あんな美人なのに、選り取り見取りじゃん。わざわざとしみつ選ぶかね？」
「うるせ。そういうことは言わんで」
「あ、自覚あるんだ」
「てかA、あの子と仲良いじゃん、なんでそんなこと言うの」
「そんなことって」
「怖くない？ って」
仲良いからだよ。仲良くなかったらあの子のことなんかどうでもよかったはずだ。
あの子は、友達が好きな人か、彼女持ちの子しか狙わないんだから。
気づいてるひとは男子でも気づいてる。
わたしは気づかないうちにあの子に好きな人がばれてしまったから。
そしてまんまとこのバカもハマってしまうから。
「……一般論。べつにあの子と仲違いしたとかじゃないよ」
「……ふーん」
「あ、なんか疑ってる」
でもどうせ振られるよ。
あの子は学校外に、社会人の彼氏がいる。彼氏と言う名の、財布みたいなもん、らしいけど。
ヒミツだよ、って、教えてもらった。
嫌いな人の爆弾なんて、わざわざばら撒こうとは思わない。ヒミツと言われたし、仲良くしておくんだったらそのままヒミツにしておこうと思っている。
「……まあ精々頑張って」
「なにその言い方ぁ」
「振られたら慰めてあげるよ」
「振られること前提にすんなよ」
「さあ」
*
「ねえ、A」
あの子に、声をかけられた。
当然だけど。仲良しだから。
「なに」
「としみつくんってさあ、好きな人でもいんの？」
「は？ なんで？」
「いや……なんでもない、話しかけたんだけど素っ気ないなって思っただけ……」
ふうん。
いや、不器用かよとしみつ。
全然好意に思われてないぞ……
いや。
わたしとしては、全然一向に構わないけど。
わたし、ほんとはとしみつに好きになってほしい。
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星乃(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» リクエストありがとうございました！なかなか難しい話でしたがご期待に添えたようでよかったです。 (2020年12月14日 7時) (
レス) id: f079188a9f (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - リクエストお応えいただきありがとうございました！もう長編で見たいくらいのストーリーで、めちゃくちゃ惹き込まれました！！大好きです！！！ (2020年12月14日 1時) (レス) id: 3c19ec381c (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - 星乃さん» ぜんっぜん待ちます！！！！！何年かかっても大丈夫です！待たせてください！！！！！ (2020年11月30日 23時) (レス) id: 3c19ec381c (このIDを非表示/違反報告)
星乃(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» リクエストありがとうございます。更新頻度からお気づきかも知れませんが、忙しくてなかなか文章を書けない日々が続いております。リクエストはとても嬉しいのでぜひぜひ書きたいとは思うもののあまり早くは上がらないと思うのですがそれでもよろしいでしょうか？ (2020年11月30日 22時) (レス) id: b915d5005d (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - いつか振り向いてくれたらのアフターストーリーとかって書けたりしますかね……？ (2020年11月29日 23時) (レス) id: 3c19ec381c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星乃 | 作成日時：2019年4月1日 17時
