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「…ここは…？」
そこはもう丘の上でも、暗闇の中でもなく緑陵高校の校舎だった。
ナ「保健室だ」
「ナル…」
ベッドの横に腰掛けていたナルの膝にはファイルが開いたままのっていた。
目が覚めるまで待っててくれたのかな
…ただの聞き取り調査だったりして。
でも心身ともに弱ったいまは、目覚めたとき側にいてくれたその事実が嬉しかった。
ナ「麻衣に少し聞いたが、何があった」
ナルはいつも通りにみえて、なんだか不安そうで。
珍しいなぁ、怒るでも呆れるでもないナルは。
「わからない…けど近いうちにわかるようになると思う」
ナルは安心させるように私の頭を撫でた。
ナ「その時は、僕が側にいる」
私は近いうちに思い出すだろう。
さっきの丘から見えた教会のこと。
私の中のもう一人のこと。
そして、私が何者なのか――――――――
何かを掴めそう、というところで
ナルの声が私を現実に引き戻した。
ナ「あの時、助けにいけなくてすまなかった」
…倒れる寸前、テレパシーでも飛ばしてしまったのだろうか。
すごく恥ずかしいけど、どうせならもう少し甘えてもいいかな。
「…もうちょっとだけ、ここにいてくれる？」
ナ「ああ」
「ごめんなさい、まだ調査中なのに」
ナ「気にするな、いつも十分役にたっている。
それにAに頼られるのは悪くない」
ふっと緩む口元が見えて、心臓がちょっとばくばくした。
今日のナルは優しすぎて、心臓に悪い。
「あ、そういえば！
ナルに伝えたかったことなんだけど…」
ナ「ベースを無許可で、しかも護衛もつけずに飛び出した理由か」
ナルだもの、やっぱり根に持ってるよね…
「以後気をつけます…
で、本題なんだけど
今回の事件、坂内君が裏で糸を引いてるのは確実だと思う。
目的は松山への復讐なのも間違いない」
坂内君に接触したとき、あれだけの憎悪を吸ってしまったのだから狙いは松山だ。
坂内君は混乱させるために言ったのではないと今なら断言できる。
ナ「なるほど…だとすれば呪詛の可能性が高いな」
「根拠がないのに信じてくれるんだ？」
ナ「事実ここでは霊の共食いがおきている。
つまり、Aが言った通り無闇な除霊は避けるべきだった。
僕はAを信じる価値があると思っている」
呪詛、か。
でも坂内君は死んでるのに、一体どうやって――――
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黒猫(プロフ) - 一気読み余裕でした･･･！ナル落ちに1票！！ (2021年5月29日 2時) (
レス) id: 4f763936bc (このIDを非表示/違反報告)
らりるれろ(プロフ) - 更新ありがとうございます！！！！待ってましたTT本当に嬉しいです！これからも応援してます！ (2021年5月19日 14時) (レス) id: 9b235f8d16 (このIDを非表示/違反報告)
杏花(プロフ) - 更新の通知で飛び跳ねて喜びました！応援してます！！ (2021年4月12日 18時) (レス) id: 343fcf64a5 (このIDを非表示/違反報告)
あり(プロフ) - ナルのデレ具合がドンピシャ極めてます…！！続き期待してます！ (2019年9月8日 19時) (レス) id: 92127a51f4 (このIDを非表示/違反報告)
たたた - おもしろーい！どんな展開になるか楽しみ (2019年6月26日 12時) (レス) id: 7eedf1047a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まりあ | 作成日時：2016年12月20日 23時
