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私は叫び声で我に帰ると、松山の首を締め上げていた力を解いた。
そして混乱した様子の麻衣に笑ってみせた。
「麻衣…ごめん、先行って…
私は後からいくから」
谷「A！でも…！」
「お願い…」
谷「絶対に無理しないでね…！」
麻衣は苦しそうに顔を歪めて、悲鳴が聞こえた方に走って行った。
松「…あ、おい！こら待て！！」
松山は狐につままれたような顔で私を一瞥し麻衣の後を追った。
「何、今の…」
坂内君に憑依されてたわけじゃない。
でも、あのまま何もなかったら私じゃないナニカが松山を殺してた。
ぞっとして震えが止まらなくなった。
ナル、たすけて。
見た目に反して暖かいあの大きな手に助けて欲しくて、
でも動けない私はそのまま深い深い闇に沈んだ。
『…だから言ったのに。
ESPを使っちゃダメだって…
バカだなぁ、もう』
―――――――――――――――――――――
あれ、ここどころだろう。
気づけば小さな教会が見える小高い丘に立っていた。
「この場所知らない、けど…知ってる気がする」
何かが引っかかるような、この感じモヤモヤする。
ジ「A…」
「ジーン！
心配したんだよ、あれから呼んでも来てくれないから…」
今までとは異なり様子がおかしかった。
まるで、チューニングのあっていないラジオを聞いているような錯覚に襲われる。
ジ「おき…げて…」
「何て言ってるの、聞こえないよ…」
ジ「ご…ん、ぼ…のせ、いだ」
ジーンがもどかしそうに唇を噛むと、
私の手をとって指で文字を描いた。
『僕はいつも側にいる』
その時不意に私の肩を何かが引っ張った。
「…!?」
ざあっと緑溢れる丘の景色が闇に染まった。
――――落ちる！
ジ「…はやく、そこからにげろ」
水の膜を通したような声がやけに悲しそうで
なぜか、もう二度とジーンに会えない気がした。
「待って―――――行かないで！！」
ジ「…ナル…
今は、ナルだけが頼りだ。
Aを頼むよ」
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黒猫(プロフ) - 一気読み余裕でした･･･！ナル落ちに1票！！ (2021年5月29日 2時) (
レス) id: 4f763936bc (このIDを非表示/違反報告)
らりるれろ(プロフ) - 更新ありがとうございます！！！！待ってましたTT本当に嬉しいです！これからも応援してます！ (2021年5月19日 14時) (レス) id: 9b235f8d16 (このIDを非表示/違反報告)
杏花(プロフ) - 更新の通知で飛び跳ねて喜びました！応援してます！！ (2021年4月12日 18時) (レス) id: 343fcf64a5 (このIDを非表示/違反報告)
あり(プロフ) - ナルのデレ具合がドンピシャ極めてます…！！続き期待してます！ (2019年9月8日 19時) (レス) id: 92127a51f4 (このIDを非表示/違反報告)
たたた - おもしろーい！どんな展開になるか楽しみ (2019年6月26日 12時) (レス) id: 7eedf1047a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まりあ | 作成日時：2016年12月20日 23時
