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力を使った瞬間犬が少し唸り、顔を歪めたかと思うとフッと音もなく消えた。
滝「消えた…」
ぼーさんが肩の力を抜いたのが見えた。
それとは対称的に左手を掴むナルの手に力が籠められる。
ナ「A、僕に隠していることを包み隠さず話せ」
「…場所を変えよう。
怪我人も出てる」
ナルが怒ってるのは見なくてもわかったので敢えて振り返らずに言った。
ナ「ぼーさん、麻衣、怪我人を運んだら関係者を集めて話を聞いておいてくれ」
滝「おう、念のため話しは録音しとくわ」
ぼーさんに頷いたナルは私を人気のないところまで連れてくると、くるりと振り返った。
ナ「前の調査から、霊視を出来ただろう」
「どうして霊視が出来ると？」
ナ「犬が出る前、お前は何かが起きると言い当てた。
それに前の調査のときも井戸から女が出てくるタイミングをわかっていただろう」
鋭い眼光に言い訳が通用しないことを悟った。
「…はいはい、見えるよ」
ナ「ESPはないんじゃなかったのか」
「もともと、気配くらいは感じられたの。
ただ感じる、なんて曖昧な情報をナルに与えたくなかった。
あと、霊に影響を受けやすかったから調査に参加するために黙ってた」
ナ「(この前の調査で何度も倒れたのは霊に当てられたからか)
で、何故黙ってた？
感じる、から視えるにかわったのは何故だ？」
「もともとESPは持っていたんだけど上手く機能していなくて、中途半端だったんだって。
だから機能するようになってから霊に当てられることはなくなったし、感じるから視えるに変わったの」
ナルは先を促すようにピタリとだまったままだ。
「別に黙ってるつもりはなかった。
ただ、自分で能力を制御出来るようになってからじゃないと迷惑かけるって、
ナルの…役に立てないと、思って」
ちょっと俯いて言い切った。
本当は自分自身で除霊出来るくらいには強くなりたかったんだけど。
ナ「はぁ…今この学校で視えるのは？」
「浮遊霊なら異常なくらいたくさんいる。
あと、特別邪悪な気配が３つ…いや、４つかな？
さっきの犬は特別邪悪な奴の方にカウントしてる」
目を閉じたまま、さらに気配から情報を読み取ろうと努める。
「あと、なんか明確な悪意を持った霊が…」
ナ「もういい。
…迷惑じゃない、充分役に立つ」
ナルはふっと笑みを見せ、私をポンポンと撫でた。
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黒猫(プロフ) - 一気読み余裕でした･･･！ナル落ちに1票！！ (2021年5月29日 2時) (
レス) id: 4f763936bc (このIDを非表示/違反報告)
らりるれろ(プロフ) - 更新ありがとうございます！！！！待ってましたTT本当に嬉しいです！これからも応援してます！ (2021年5月19日 14時) (レス) id: 9b235f8d16 (このIDを非表示/違反報告)
杏花(プロフ) - 更新の通知で飛び跳ねて喜びました！応援してます！！ (2021年4月12日 18時) (レス) id: 343fcf64a5 (このIDを非表示/違反報告)
あり(プロフ) - ナルのデレ具合がドンピシャ極めてます…！！続き期待してます！ (2019年9月8日 19時) (レス) id: 92127a51f4 (このIDを非表示/違反報告)
たたた - おもしろーい！どんな展開になるか楽しみ (2019年6月26日 12時) (レス) id: 7eedf1047a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まりあ | 作成日時：2016年12月20日 23時
