ある愛のカタチ

私とナイトの愛のメロディ ページ22

それから2日が経った休日の朝。


いつものようにメタナイト卿はコーヒーを、Aはココアを飲んでいた。


メタナイト卿は言い出せない自分が情けなかった。
自分の幸せのために、ひとりの女性が不幸になってもいいのか。


自分がAを失いたくないと思っているのは確かだ。でもAはどうだ？
本当は自由になりたいのではないのか…。


ちらっとAの顔を見る。


違う、私の幸せは彼女が幸せであることだ。
だから、彼女が望むなら、この生活だって捨て
よう。


「A」


「ん？」

Aがココアを置いてメタナイト卿を見る。


「実は、この結婚を解消する方法がある。そなたは、もう一度自由になれる。正直に答えてくれ、そなたはどうしたい？そなたの本心を教えてくれ…」


Aは急な話に驚き、目を丸くした。


結婚を解消できるってどういうこと？兄さんが何か言ったの？もう一緒に住めないの？


え、私の本心？たしかに最初は強引な始まり方だったけど、今は私は…


「メタナイト卿と一緒にいたい」


もし、メタナイト卿は自由になりたいと思っていたら、この言葉は負担をかけてしまう。


そう考えた時はもう遅かった。


考えるより先に言葉が出てしまったのだ。


次の瞬間、私はどこか優しく、そしてどことなく冷たい温まりに包まれた。


メタナイト卿に抱きしめられていたのだ。


「よかった…」


よかった？…ってことは、あなたも同じ気持ちなんだね。


キュッ とAも抱きしめ返した。


『この人が愛おしい』


2人は心からそう思った。

仲良しフーフ→←センチメンタル・ナイト

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す