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「 っは 」
じっとりと、全身が汗ばむ.
ゆっくりからだを起こし、額に手をあてれば深いため息が出る.
寝室はまだ薄暗い. まだ夜も深いのだろう.
枕元の時計を見れば、早朝3時半を示していた.
懐かしい夢だ.
あまりにも鮮明すぎる夢だった.
高専時代の夢を見るのはいつぶりだろうか.
否、夢と言うよりは、思い出そのものだ.
映画のフィルムが回ったかのように、過去の記憶が夢として現れた.
何故、今更そんなものが__.
今夜が、花火大会当日だからなのか.
__考えるな、そんな、余計なことは.
雑念を払うように、頭を左右に振り再び寝床に身を投げた.
けれど、一向に眠気は戻ってこず、むしろ覚醒状態にあった.
このまま天井とにらめっこするのも、何となく気が引けた.
いつもより重たく感じるからだを起こしあげ、ベランダに出る.
夏の朝とはいえ多少は冷え込む.
涼しい風が、優しく頬を撫ぜ、髪を揺らす.
カーテンを締切っていたからか、薄暗く感じられていたが、東の空は僅かに明るかった.
どうしてか、その空を眺めているともの寂しさが押し寄せてくる.
そんな感情は、とうの昔に忘れた、捨てたというのに.
若干の苛立ちが生じ舌打ちするも、夜明け前の空に虚しく消えるだけだった.
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おはぎとだんご(プロフ) - すごく素敵な作品でした。ありがとうございます。これからも楽しみにしています、 (2021年2月15日 1時) (レス) id: 1cc5216453 (このIDを非表示/違反報告)
のんのんの(プロフ) - 完結っ‥‥お‥‥おめでグスッおめでどぉ‥ございます"ッ‥‥‥‥うッグスッ‥‥‥‥推し様か"ッ‥‥っ!生き生きッッッッ‥‥してて"ッグスッ‥‥‥‥素晴らしか"ったでず‥‥ズビッおもしろかったです"!ありがと"うございましだ (2021年1月11日 9時) (レス) id: 588546bca4 (このIDを非表示/違反報告)
もちこ(プロフ) - 傑が生き生きしててとっても好きです!応援してます! (2021年1月5日 22時) (レス) id: 0939652fd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まっちゃろん | 作成日時:2021年1月4日 20時