こんなはずじゃなかった彼氏編(JW青×JW緑) (ページ5)

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桃side

｢ほんまに彼女？｣

そう聞くと重岡は一気に顔面蒼白。
さっきの制服、見覚えあると思ったら確かコスプレ用のやつ。
昔文化祭で着た事がある。
もしかしてこれは…もしかするかもしれんぞ…！！？
僅かな可能性に嬉しくなった俺は、ここぞとばかりに詰め寄る。

｢あの、写真の子が、ほんまに、重岡の、彼女なんか？って聞いてんねん。｣

じり、じり。

1歩、また1歩と近づく。
それと同時に、重岡も後ずさる。

ﾄﾞﾝｯ

重岡の背中には壁。
完全に閉じ込めた。

ﾀﾞﾝｯ

ダメ押しと言わんばかりに勢いよく壁に手をつく。

｢どーやねん！｣

｢ちっ、違います！｣

チガイマス…。
違います…？
違う…！？
彼女じゃない！！？？

｢なーんや！良かったぁ…。｣

余りの嬉しさに思わず本音が口をついて出た。
彼女ないんや！じゃあ焦る必要ないやん！
ふんふん鼻歌を歌いながら帰る準備をしているとｶﾞﾝｯと後ろから大きい音がした。
振り返るとさっき俺がいた場所に流星がいて、さっきの俺と同じように、いや俺より近い距離で壁ドンしてる。しかも両手で！！

｢くぁwせdrftgyふじこlp｣

なっななななにしてんねんりゅうせーーーー！！！！！！
引き離そうと近付いた途端流星は重岡から離れ、帰りの準備をし始めた。
もう訳が分からず重岡に事情を聞こうとすると、相当怖かったのかそそくさと逃げるように帰ってしまった。
準備を終え顔を上げた流星と目が合った。

｢なにしてたん。｣

不機嫌を顔にも声にも隠さず聞くと、

｢あぁ、ごめん、変な事してた訳ちゃうから安心して。｣

とイマイチ的を得てない返事。
それ以上は上手く追求出来ず、もやもやは晴れないまま帰路についた。