こんなはずじゃなかった彼氏編(JW青×JW緑) (ページ31)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:75,508 hit

31 ページ31

青side

断られた日からとも子ちゃんの事は出来るだけ考えへんようにしてた。
重岡とも喋らんし、学校内でとも子ちゃんの姿を探すのも辞めた。
授業中も外を見ないで寝るようにしたし、他の子と付き合う事も考えた。

でも、ついあの子の事を考えてしまう。
遊びに行っても、前は気になりもしなかったスイーツの広告ばかり見てるし、あの子が好きそうなアクセサリーが目に止まる。

そうしてやっと、俺の中の殆どをあの子が占めてる事に気づいた。
日が経つにつれて、楽しかった記憶は薄れるどころか色濃くなっていく。
昨日の事のように思い出せるのに、ずいぶん前の事のようにも思える。

望が言った通り俺は逃げてた。
日に日に心の中で存在が大きくなっていくあの子が、気持ちを抑えられない自分が怖くて、逃げた。
嫌な思いさせたくないなんて建て前で傷つきたくなかったのは俺の方。

でももう逃げへん。
たとえハッピーエンドじゃなかったとしても、最後までぶつかって砕けたる。

そう腹を括ったその時

ﾊﾞｼｬｯ

｢冷たっ｣

俺の右半分がびっしょり濡れている。
飛んできた水の方に目を向けると、顔面蒼白の重岡。

めっちゃ濡れた…、と呟くと泣きそうな顔で必死に謝ってきた。
なんかその顔久しぶりに見たな。

重岡とあの子は本当に仲がええんやろう。
学校で見かけた時は大体2人ー緒にいる。
重岡と一緒にいる時のあの子は俺に見せる笑顔とは違う、心の底から楽しそうに、安心しきって笑ってる。
小さい頃からずっと一緒で、家族と同じ位大切やって重岡が言ってた。
だからこいつにはちゃんと言っとかないと。