こんなはずじゃなかった彼氏編(JW青×JW緑) (ページ15)

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青side

｢ｺｸ｣

う、頷いてくれた！！！！！！

｢！！！！ほんま！？じゃあ連絡先交換しよ！｣

この機会を逃すまいと、とりあえず連絡手段の確保を急いだ。

…しかし、何故か戸惑って中々携帯を出してくれない。
こちらから催促することも出来ないので待っていると、遠くからとも子ちゃんを呼ぶ声が聞こえた。
声の方に顔を向けると、スーツを着こなす唇が特徴的なスラッとしたイケメン。

｢とも子！迎えに来たで。8時やから親御さん所まで送るわ。｣

彼を見るやいなやとも子ちゃんは安心したように顔を緩ませ腕にしがみついた。

その瞬間胸の奥がどす黒いもので埋め尽くされた。

咄嗟に、彼の手を引っ張るとも子ちゃんの腕を掴んだ。

｢待って！｣

何故手を掴んだのか、なぜ引き止めたのか、この胸のどす黒いものは何なのか、わからないから手に力が入るだけで何も言い出せない。

｢おい、痛がってるやろ。離せや。｣

そう言われハッととも子ちゃんを見ると顔を歪ませている。
すぐに手を離したが、胸の奥で渦巻く物が何かわからず、ごめんの一言も言えないままその場に立ち尽くしてしまった。
彼はとも子ちゃんをグイッと引き寄せ、帰るから、と彼の物であろう車の方へ向かっていく。

さっきは、次会えるかもって嬉しくて、めちゃくちゃ幸せやった。
やけど今はあの男の人に対しての黒い感情で埋め尽くされてる。
少しずつこの黒い感情の正体がわかっていく。

行かんといて、なんでそんな顔すんの、そいつ誰なん。

これは紛れもない嫉妬。

こんな感情を今日初めて会った子に…。

その醜い感情に、俺はとも子ちゃんが好きになってしまったのだと気づかされた。