裏方英雄 ０３ ページ3
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今日は塾のない日｡暇だということで､街中をぶらぶらとしてみる｡
すると､どこからか､大きな爆発音が聞こえた｡人工的ではない､個性の爆発音が｡俺が知ってるなかで､ヒーローを含めても､爆発の個性を持っているやつは一人しかいない｡
｢……爆豪か｣
俺はポケットに手を突っ込み､騒ぎのある方へ向かう｡
なぜ向かうのか､それはもちろん､何かと参考にするためだ｡無個性な俺は､相手の動きを読むなんていう技術を身に付けなくてはいけない｡多少の戦闘力もつけなくては｡
……なんていうのはさておき､騒ぎの場所につく｡すると確かに､液状化ヴィランに取り込まれているのは､爆豪だった｡それは正直どうでもいい｡
俺が癪に触るのは､回りのヒーローたちだ｡ちゃんとした弱点を持っていて､たとえば巨大化のような､致し方のないものは別としよう｡
｢……なんもできない､ねぇ｡｣
腐ってるんじゃねえの｡
そう呟くと､隣の痩せ細った金髪の人が明らかに反応した｡なんだ､この人もヒーローなのか｡
｢あほらし｡あんなヒーローにはなりたくねえな｣
爆豪には悪いけど､踵を返して帰ろうとしたそのとき､｢とまれ止まれ!｣といった叫び声が耳に届いた｡
なんだ､と思って振り向くと､緑谷が走っていくのが見えた｡彼は､リュックを投げる｡
なるほど､液体化の個性には物を投げつければ動きを鈍らせることができるな｡
俺がしばし感心していると､
隣の痩せ細った人が､筋肉ムキムキの､誰しもが見たことのある人物､――オールマイトに､姿を変えたのだ｡
｢すまないそこの少年､そこで待っていてくれ｡このことはくれぐれも内密に頼む!｣
｢え､あ､ハイ｣
オールマイト｡平和の象徴｡
俺が小さな頃からあこがれ､また､｢いつか越えたい｣､そう思った人物｡
だって今もほら､拳ひとつで天気変えるんだぜ? くそかっけぇだろ｡
｢……サインもらって家宝にでもすっか｣
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巴月 - 面白かったです！次の更新楽しみにしています！ (2017年6月5日 19時) (
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作者名：□色 | 作成日時：2017年5月18日 15時
