天然記念物カップル【牛島若利】

天然記念物カップル２５ ページ24

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本来透明な水は淡く水色に光り、色とりどりの魚を引き立たせる。

｢にゃもだ〜!｣

橙色の髪の毛の小さな女の子が、ニャモ…… クマノミを見つけて駆け出す。
どん、とにぶい音をたてて、少女は人にぶつかってしまった。

女の子――夏は、｢ぶつかってしまったら、ちゃんと謝りなさい｣というお母さんの教えを思い出す。
上を見上げると……

｢ああ、すまないな｣
｢ヒィッ………!｣

怖いひとだ。逃げないと!

そう思わせるほどに威圧感のある男(牛島若利)は、目の前で小さな子供が泣きそうになっているのを理解し、動揺を隠せない。

｢――牛島?｣

(エッ、また大きいひと……!)

牛島に話しかけたAは、目の前で夏が泣きそうになっているのを発見する。
するとAは、夏の目線までしっかりと屈みこみ、くしゃくしゃと(真顔で)頭を撫でた。

｢ぅえ……っ?｣
｢大丈夫。牛島はいい人だから｣

ね、と微笑むAに、夏の心は揺らぐ。

｢う、うん……｣
｢ハイ、ふたりで仲直り｣

｢ご、ごめんなさい｣
｢すまなかった｣

そのタイミングで、｢なつー!?｣と呼ぶ声が聞こえる。
お母さんだ、と考えた夏は、｢ありがとうございました!お姉さん!｣

｢うん。ばいばい｣

……一方牛島は、子供に恐れられていたことを、多少気にしていたりする。



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