夢うつつ (ページ10)

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Priceless(緑) ページ10

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「お嬢様、起きてください。」
「…あと5分。」
「それさっきも言ってました〜」

「まだ、」
「今起きひんと朝ごはん俺が食べちゃうで？」

「…それはいやや。」

何とか起こした身体はまだ眠いと訴えかけている。
それでも頑張ったのは、優しく頭を撫でてくれる和也くんのため。

「よー起きたな。えらいで。」

和也くんは私の執事であり、幼馴染でもある。
小さい頃はあまり外に出られない私のために和也くんが遊びに来てくれて、二人でよく一緒にいた。

彼が執事になったのは、私が高校に上がってから。
特にそういう家系でもない彼が執事になった理由は何度聞いても教えて貰えなかった。

「今日は午前授業でしたよね。」
「ええ。またお迎え頼むわね。」
「かしこまりました。」

他の人の前ではあくまでお嬢様と執事。
でも二人きりになるとただの幼馴染。

そんな関係を続けて、早3年。

私には大きな試練があった。