夢うつつ (ページ43)

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それから彼とは何度か顔を合わせて。
5回を過ぎる頃には、諦めがついていた。

会うのが楽しみで、いつもより気合いを入れてオシャレしちゃったり。送られてきたメッセージを見返してみたり。
もう好きでいい。本人に言わなければ、それで。

ただこの関係を楽しもうと思い始めていた。

「あ、髪切った？」
「ちょっとだけ。よー分かったな。」
「ちょっとでも変わるもんやで。」

こんな些細なことでも嬉しいなんて。
彼が知ったら、嫌がるかもしれない。
それが怖くて平然を装った。

「そう？人のことよく見てるんやね。」
「なぁ、」

「…ん？」

「もう友達としてこうやって会うの、やめん？」

笑って流せる雰囲気ではなかった。
この関係もおしまい。もう時効が来てしまったのだと。

「そう、やんな。今まで楽しかった、」
「これからはもっと頻繁に会いたい。」

なのに発された言葉はその反対で、私の頭は停止する。
何かの間違いだと思った。

「ごめん。こんなんAちゃんは嫌かもしれんけど。好きや。ほんまはもっと前から。」

「…私も。私もずっと前から西畑くんが好きやで。」

「え、」

合コンが凄く良い手段とは思わないけど、
そこで運命の人に出会うことはあるのだと思う。

だから私たちは、合コンに行ったことを後悔はしていない。

「これは、運命やったんよ。」
「大吾はそういうのが好きやね。」

「その方が大事にしようって思えるやろ？」

彼の言葉を借りると、『出逢いは、運命。』