夢うつつ (ページ4)

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シンデレラ・ナイツ(紫) ページ4

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「おねーさん、一人なん？」

飛び出した夜の街
煌びやかな光の中を歩く私は
いつかのおとぎ話の主人公みたいだなんて思った。

「…誰。」
「どっかのイケメンのお兄さんとでも思っといて。」

「あ、王子様でもええで？」なんて目の前の彼は言う。

何重にもされたネックレス
片耳についたフープイヤリング
明らかに違う世界の人なのに手を伸ばしたのは

「ん、」

きっと少しの憧れのせい。

「なんか食べた？」
「この辺に期間限定の屋台あるはずやねんけど、」

連れていかれるがまま
夜の街を彷徨った。

今夜だけでも、全て忘れてしまいたいと願って。

「え、当たりやん！すげ！」

ゲームセンターで渡されたコインを倍にしたり、
少し怖いお兄さんと会釈をしたり。

何より出会ったばかりの名前も知らない人と手を繋いだのは今日が初めてだった。

「今からとっておきの絶景スポットに連れてったるわ。」