夢うつつ (ページ19)

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「どうしたん？なんか嫌なことあった？」
「…前の彼女にもこんな風にしてたんかなって。」

星を散りばめたようなキラキラな目が大きく見開かれる。
初めて見た時から綺麗だと思っていたその目。
そこに映る自分を見る度、魔法にかかったような不思議な気分になった。

「嫉妬してくれたん？かわい。」
「だって、私よりずっと…」
「Aちゃんのためにいっぱいリサーチしたんよ。」

「…え？」

私は何も知らなかったんだろう。
裏で沢山考えてくれていた彼のことを。

「付き合う前からAちゃんの興味を引くことばっか考えてた。流行りの勉強始めたのもそのためやし。」

どうしたらいいか分からないなりに試行錯誤したこと。
本当は私が初めての彼女だということ。
知らない彼を知るほど、彼への"好き"が大きくなる。

「あと、Aちゃん可愛い子が好きって言ってたやん？」
「あ、それは…」

彼を"大西くん"と呼んでいた頃、
「好きなタイプは？」と本人に聞かれた時に答えたもの。
目の前にいる彼のことを言ったつもりだった。
可愛い人が好き、ではなくて"可愛い君が好きだよ"と。

「え？全然、気付かへんかった…」

恋ってやっぱり一方通行だ。
でも、これからは二人で並んで歩きたいと思う。

「可愛い流星くんが好きやで。」
「可愛いも嬉しいけど、Aちゃんには格好良いっていうのも言って欲しいなぁ。」

「俺も男なんやで？」なんて口の端を上げる姿は、私しか知らない彼の顔。彼が私にしか見せない顔。

「まぁ、お楽しみは後で。やな？」

やっぱり私の彼氏は、誰よりも甘い。