夢うつつ (ページ18)

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「Aちゃんどれがいい？」
「んー、キャラメルかな。」
「すいません。キャラメルとベリー1つずつお願いします。」

「ありがとう。」
「いーえ。あ、写真撮ろ。」

画面を見つめて満足そうな彼に、
1つ疑問を投げかけてみた。

「それ、インスタにあげるん？」
「え？」

長いまつ毛が揺れる。
パチパチと何度か瞬きをした後、彼はクスッと笑って

「二人の写真はあげへんよ？Aちゃん可愛いから他の人に狙われたら困るし。」

と、また私の手を握る。さっきよりも少し強い力で。
やっぱりあざといな、と思う。

「…あげた方が良い？」
「いや、あげんでいいよ。」
「Aちゃん？」

きっと複雑な気持ちが顔に出ていたんだろう。
私の顔を覗き込んだ目が困ったように歪む。

「あっちで座って話そ。」

そう言って引っ張られた腕はいつも通り優しくて。
こんなことに嫉妬する私が申し訳なくなった。