夢うつつ (ページ17)

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君にしか見せない(橙) ページ17

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「あ、Aちゃんアイシャドウ変えた？」
「こないだ流星くんがオススメしてくれたやつにした！」

「かわい、」

私の彼氏は甘い。
困ってしまうくらいに甘すぎる。
付き合ってからは特に、それに拍車がかかった。

今だってそう。
お昼時のフードコートで私の頭を優しく撫でる。
周りの目なんて気にしてないみたいに。

「流星くん、この後どうする？」
「この辺にめっちゃ映えるスイーツのお店あるみたいやから行かん？」

慣れた手つきで操作された画面には女子の目を引くような写真が沢山並んでいて、私も思わず見入ってしまう。

「行きたい！」
「じゃあ、行こか。」

ずっと気になっていることがある。
それは、彼の慣れたような行動。
前々から流行りには敏感ではあったけど、エスコートまで慣れているとは思わなかった。

手を繋ぐタイミングもデートプランも隙がない。
まだ名前を呼ぶことにも慣れていない私と対照的な彼に
少しの不安があった。