♭♭難問の答え♭♭ ページ4
〜side一織〜
転校して来てから初めての授業、以前通っていた高校より授業の進行が早いように感じたがさほど問題は無さそうだ。
先日知り合ったばかりの四葉さんは1限が始まって5分後には夢の世界に旅立っていたので後ほどお説教をしておこう。
ノートにシャーペンを走らせているとろ隣の席の女子生徒が先生に当てられていた。この先生は問題をよく生徒に解かせるのか…。指名された彼女は丁寧な字で答えを書いていた。彼女が席に戻ると先生は黒板に応用問題を書き始めていた。しばらく問題を見て解き方が分かったのでノートに手早く書いた。先生が指名しようとすると皆一斉に先生と目を合わせないように俯いている。
｢和泉、解いてみなさい。｣
転校した初日に当たるとは思っていなかったが指名された以上は答えなければならない。
｢はい。｣
私は席を立ち黒板に向かい合った。チョークを手に持ち解答を書き込んでいく。
｢せ、正解……。｣
解答を書き終え先生の方を見ると大層驚いていた。
｢ありがとうございます。｣
そう伝えて席に戻った。先ほど指名されていた彼女も少し驚いているように見えた。自慢ではないが私にはパーフェクト高校生という異名がある。何故このような異名がついたのかルーツは認知していない。
その後も授業は続き次回の授業で小テストを行うと告知をされて1限目は終わりを告げた。もちろん四葉さんは最後まで寝ていた。
1限が終わると朝のホームルーム同様クラスの生徒達が私と四葉さんの席を取り囲んだ。
｢和泉くんすごいね！あんな難しい問題解けちゃうなんて…！｣
｢ねえねえ！2人は彼女とかいるの？？｣
質問攻めに困惑していたところ1人の女子生徒の声が教室内に響いた。
｢はいはいそこ！一織くんと環くんが困ってるでしょ！｣
彼女の声が鶴の一声となり私達の周りに集まっていた生徒達はそれぞれの席へと捌けていった。
｢ありがとう葵……。｣
｢いいっていいって！でもなんで名前自分で言わないの？｣
｢私声張り上げるの苦手だから……｣
ふと隣の席の会話が耳に入り横目で隣の席を見ると先ほど助け舟を出してくれた女子生徒と1限で指名されていた女子生徒が話をしていた。
｢ふーん…名前は優しいね！｣
｢そんなことないって……｣
……なるほど、どうやら指名されていた彼女が助け舟を出すように先ほどの女子生徒に頼んでいたのか……。後で礼を伝えておこう、そう考え私は四葉さんを起こし、間もなく始まる2限の授業に意識を向けた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 48人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ととろと - メンヘラではなく、メンクイじゃないでしょうか？ (2017年10月11日 22時) (
レス) id: 74d0315008 (このIDを非表示/違反報告)
ふうり(プロフ) - みゅうさん» みゅうさん、コメントありがとうございます！そう言って頂けて本当に嬉しいです(;_;)亀更新ですがこれからもも楽しんで頂ける様、私も精進します…！ (2017年9月7日 18時) (レス) id: c3b30cd158 (このIDを非表示/違反報告)
みゅう - 面白いし、楽しいです。更新楽しみにしてます！ (2017年9月3日 18時) (レス) id: ac309c6a0e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ふうり | 作成日時：2017年7月30日 2時
