たった1人のあいつ ページ10
入学式であいつの事を知ってから数回話したりしてるが、全然俺なんかに興味を示してくれない。
俺はただ普通に友達として仲良く話したいだけ。
そう思ってるのは俺だけみたい。
あいつは入学式の時から他の奴らとは全然違う雰囲気だった。
他の人と関わりを持とうとせず、いつも１人でいる。
屋上にいつもいて１人でお弁当を食べてる。
たまに行ったりしてたが、あいつにとっては俺は迷惑みたい。
意外と顔に出るから分かりやすいんだよな。
俺と話したくない雰囲気丸出しだし。
でもそんなあいつだから余計に近づきたいと思ってしまう。
他の奴らはいっつも女子数人で固まってて、いっつもキャッキャキャッキャ俺に声をかけて来やがって。
顔だけで判断して、俺の中身や気持ちなんか知ろうともせずただただ近づいて来る奴ばかり。
香水ガンガンつけてるし、化粧しておしゃれしてるみたいだけど、正直全然似合ってねーし。
スカート無駄に短いし、連絡先教えてとかいちいちうるさい。
まぁここだけの話高校へ入学してから誰一人俺の連絡先教えた事なんかないけど。
そういう奴らばっかだから俺は望月は他の奴らと比べる訳ではないけど、全部が正反対でなぜか気になってしまう。
決して目立つタイプでは正直ない。
見た目も普通だと思う。
正直おしゃれとかにも興味は無さそう。
周りから見たら俺が好きになったり気になるようなタイプの子ではないと思う。
でも１つだけ。
あいつの声は引き込まれるような素敵な声をしている。
穏やかで優しい透き通った声。
他の奴らにはないような声質。
だからなんか俺にとっては不思議な気持ちになったのだ。
今までに出会った事のないようなタイプだから。
先生の提案で席替えをすると言い出した時、俺はなぜか望月と隣の席になるように神様に願っていたのだ。
心の中でだけどな。
そしたら神様に通じたのか奇跡的に隣の席に。
でも俺が話しかけてもいっつも適当な返事ばかり。
それに最近気付いた。
俺もしかして避けられてる！？
しつこすぎてウザすぎて嫌われたか？
いつもの屋上で問いただせば嫌いと一言。
おまけにそっとしておいてだの私に関わるなだの周りから変な目で見られるだのまるで何かを隠してるような何かあったようなそんな雰囲気が漂っていた。
その一言できっとあいつは何か嫌な思い出があるんだろうと確信した。
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作者名：Jasmine | 作成日時：2024年1月27日 10時
