席替え ページ7
あの日一度渡辺くんと話した日から渡辺くんは一回も来なかった。
そりゃそうだよね。
ちょっとでも期待した自分がバカだったみたい。
６月に入り、高校生活も２ヶ月が経った頃、担任の先生が爆弾発言をした。
学校生活にも慣れ、クラスの仲が少しずつ深まって来たからと席替えをすると言い出したのだ。
クラスのみんなは喜んでるけど私は全然嬉しくない。
クラスで馴染めていないのは私ただ１人だから。
どこの席へなっても一人ぼっちなのには変わりない。
だったら今のままの席でいいのに。。。
出席番号順にくじを引いていく。
私は結局最後の方だからあまりものみたいなもの。
私の番が来てくじを引き、黒板に書かれている番号を確認すると、
ラッキー！窓側の一番後ろじゃん。
目立たないし静かに過ごせそう。
くじを引き終わり、全員移動を始める。
私は窓側の一番後ろへ移動した。
すると何やら隣から声がした。
渡辺「隣望月なんだ。俺ここだからよろしく。」
声の方を向くと、右隣に渡辺くんが座ってるではありませんか！
私は驚いた顔で渡辺くんを見た。
渡辺「そんなに驚くなよ。」
「ごめんなさい。」
渡辺「いや、謝んなよ。俺が悪いみたいじゃんか。とりあえずこれから隣の席だし、よろしくな。」
私は軽く会釈をした。
まさか渡辺くんと隣の席になるとは考えていなかったなー。
渡辺くんと隣の席になったことでクラス全員を敵に回しちゃったかな？
くじ引きだからしょうがないけど、絶対私なんかより他の女子達渡辺くんの隣狙ってただろうし。
あー女子達の視線が痛い。。。
まぁ渡辺くんと別に仲良くするわけじゃないし、気にすることでもないと思うけど。
あまり関わらないようにしなくちゃ！
その日を境に隣の渡辺くんがちょくちょく話しかけてくるようになった。
渡辺「望月、ノート見せてくんない？」
「なんで？」
渡辺「この前の授業寝てて先生の話どころか黒板写してなくて。」
「それは自分のせいでしょ！私に頼らないでもらっていいですか？」
渡辺「望月にしか頼めないんだよ。頼むよ。」
そう言われ仕方がなくノートを貸すことに。
話しかけないでほしいのに私の気も知らずにしつこいくらい話しかけて来る彼。
周りのみんなには私達はどう映ってるのかな…？
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作者名：Jasmine | 作成日時：2024年1月27日 10時
