屋上 ページ5
高校へ入学して１ヶ月が経った。
私は特に友達もいない。
というか作るのが苦手だ。
ギクシャクして仲が悪くなったり、トラブルに巻き込まれたりしたら面倒だし。
だったら最初から作らない方がいい。
私は上手くクラスにも馴染めず、お昼にはこうして屋上へ来てる。
屋上は滅多に人が来ないし、空気が澄んでいて気持ちがいいから私の居場所の一つでもある。
今日もお弁当を広げ、食べようとしたその時、男女の声が聞こえて来た。
私は物陰からその様子を見ていた。
するとそこに莉那と渡辺くんが。
莉那「急に呼び出してごめんね。」
渡辺「何？話って。俺飯買いに行かなきゃねーから早くしてくんない？」
莉那「あ、うん。あのね、入学してまだ一ヶ月なんだけど、私ね、一目惚れして、翔太くんが好きなの。」
渡辺「ごめん。俺今彼女いらないんだわ。てか女に興味ねーんだ。」
莉那「今は無理かもしれないけどこの先可能性はあるってこと？可能性があるなら諦めないよ。」
渡辺「よく分かんねーわ。勝手に思ってくれるのはいいけど、その気持ちに俺が答えられるかは今もこの先も多分ないけど。」
莉那「私簡単には諦めないから。じゃ。」
言うだけ言って居なくなった莉那。
渡辺くんがモテるって言うか人気者なの本当だったんだ。
モテるって大変だね。。。
そんな事を考えていたら渡辺くんがこっちに独り言を言いながらやって来た。
渡辺「あ”〜まぢダルい。告白されるだけで吐き気するし。」
私は見て見ぬふりをしてお弁当を食べながらケータイを操作してるフリ。
でも渡辺くんは近くにやって来た。
渡辺「なぁ、あのさ、お前さ同じクラスの望月だよな？」
私はその声にビクっと肩を震わせた。
「そ、そうですけど、、、何か？」
渡辺「いや、人違いだったら申し訳ないから一応人物確認みたいな？」
「あ〜なるほどですね。」
渡辺「あ、俺の大好物の卵焼きじゃん。もーらい。」
そう言うと私のお弁当から卵焼きを取って食べてしまった。
「あ。私の卵焼き。」
渡辺「悪いな。腹減ってて。お弁当買いに行こうとしたんだけど、あいつのせいで吐き気して来たから食べられなさそうだし、もう買いに行くのめんどいし食べなくてもいいかなって。でも卵焼きなら食べれそうだったから。」
「だからって私の卵焼き勝手に取らなくったっていいじゃないですか！」
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作者名：Jasmine | 作成日時：2024年1月27日 10時
