日課 ページ17
それからというもの毎日のように来る電話。
最初は緊張したり正直迷惑だったりしたけど、何もすることのない私にとっては唯一のやすらぎの存在でもあった。
友達とはこういう感じなんだとイメージもできる。
ただそれが男女というだけで友達というのには変わりはない。
それから数日が経ったある日。
着信：渡辺くん
もう出るのにも躊躇しなくなった。
「もしもし？」
渡辺「俺だけど、明日暇？」
「え！あ、明日？」
渡辺「ごめんごめん。いきなりすぎたわ。いやー宿題終わらなくてさ。俺バカだから全然分かんないの。だから宿題も進まないの。それで望月真面目に授業受けてるし、俺よりは間違いなく頭いいだろうしそのー宿題教えてくんねーかな？って思ったり。」
「その相手私じゃなきゃダメなの？他にいないの？男友達の１人や２人はいるでしょ？」
渡辺「でもさ、男って基本適当じゃん？やるからにはちゃんとやりたいじゃん？」
渡辺くんって意外と真面目？
「まぁこうやって毎日ラインや電話するくらい私も暇だからいいけど・・・」
渡辺「まぢ？助かる！望月って神様みたいな存在だよな。」
「神様って。。。大袈裟な。」
渡辺「図書館とかの方がいい？それとも俺ん家？」
「なっ！と、と、図書館で。最初から家でなんてハードル高すぎます・・・」
渡辺「ごめん。望月反応面白いからついついからかいたくなんの。じゃ、図書館の前に１０時くらいでいい？」
「うん。」
渡辺「明日楽しみにしてるわ。」
電話を切った後、少々余韻に浸っていた。
家でと言われた瞬間、私は一瞬想像してしまった。
あんなことやこんなことを。
でもそれはドラマや漫画を見ている影響のせいもあるだろう。
私にはできやしない。
一瞬心が乙女心になってしまった。
気温のせいか体温が熱い。
窓から顔を出し、冷やす。
ふと空を見ると綺麗な青空だった。
私は思わずケータイで写真を撮ってそれを待ち受けにした。
こんなことしちゃいられない。
明日の準備しなくちゃ。
どんな服装にしようかな？
デートじゃないし、ただ勉強しに行くだけだし。
おしゃれをしたことのない私はどういう服装で行ったらいいのかさっぱり分からない。
ネットで検索してお手本にするしかないか！
気付けば数時間格闘していた。
やば。もう夕方じゃん。
はー。服装ってこんなに体力使うのね。
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作者名：Jasmine | 作成日時：2024年1月27日 10時
