夏休み ページ16
夏休みも半分が過ぎた頃、私と渡辺くんは相変わらず毎日ラインでやり取りしていた。
その日の夜、いつものようにラインをしていたら、いきなり着信がかかってきた。
着信
私はその弾みでケータイを床に落としてしまった。
出ようか出ないか悩んだが、恐る恐る電話に出ることにした。
「・・・もしもし？」
渡辺「あ、出た。」
「出ようか出ないか悩みましたけど。。。」
渡辺「正直賭けに出た。」
「賭け？」
渡辺「電話しよって言ったら望月は絶対嫌だって言いそうだったからいきなりかければもしかしたら出るかな？って。」
「私はその賭けに引っかかったわけですか。」
渡辺「そんなに重く受け止めんなよ。こんな事言うの恥ずいけど、俺が望月の声聞きたかったから電話しただけ。」
「えー！？」
渡辺「そんなに驚くなよ。」
「だ、だって声が聞きたいって言ったから。」
渡辺「そうだけど？俺望月の声好きなんだよね。」
「はっ！」
渡辺「反応笑」
「だって、渡辺くんが変な事言い出すから。」
渡辺「ホントだけど？ホントの事言って何が悪いの？」
「いや、悪くないです。でも私の声好きって言ってくれたの渡辺くんが初めてですよ。」
渡辺「俺さあの入学式の新入生代表挨拶の時、望月の声に引き込まれてさ。すごいキレイな声で話す人だなって感じた。普段先生の話もろくに聞かない俺なのに望月の声に惚れた。」
そんなに褒められることないのに褒められると照れてしまう。
「///」
渡辺「もしかして照れてる？」
「なっ！」
渡辺「面白いな。望月反応分かりやす。」
電話越しなのに渡辺くんには全部お見通しみたいです。
「電話に慣れてないだけです。」
渡辺「電話に慣れてないだけねー。そういうことにしとこうか。良かったらこれからも電話してもいい？」
「え？電話ですか？」
渡辺「うん。望月の声聞くと安心するし、落ち着くし、寝れるというか眠気が襲って来て気持ちよく寝れそうだし。」
「私電話慣れてないので話してもつまんないかと。」
渡辺「声聞けるだけでいいからさ。」
「・・・分かりました。」
渡辺「とりあえず今日はこれで。また連絡する。今日はありがと。おやすみ。」
電話が切れると一気に体温が上昇していくのが分かった。
心臓がバクバクしてる。
渡辺くんと話してると心臓が持ちそうにありません。
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作者名：Jasmine | 作成日時：2024年1月27日 10時
