連絡先 ページ12
「最初で最後ってそういうことだったんですか！てっきり話すの最後にするって意味だと思ってて、まさか連絡先聞かれるとは思ってませんでした。結局最後じゃないじゃないですか！」
渡辺「騙したみたいでごめん。でも話せない代わりにラインとか電話なら周りに誰も居ないし、俺らだけの秘密だろ？それなら気遣わなくていいだろ？」
「まぁーそれはそうですけど。でもその相手私じゃなくても他にたくさんいるじゃないですか！」
渡辺「いや他の人じゃダメなんだよ。お前、望月じゃないと俺の話し相手になってくれるの。頼む。毎日とは言わないから望月が気が向いたら返してくれる程度でいいからさ。俺夏休み暇なんだよ。俺の暇人の相手してくれると助かります。」
「そこまで言うなら・・・分かりました。」
私は渋々承諾した。
あまり気分は乗らなかったけど。
渡辺「ケータイ貸して？」
カバンからケータイを取り出す。
私の手からケータイを取ると手際よく番号やらラインやら登録したみたい。
その手際の良さから手慣れてる感じが伝わって来た。
私なんかほとんど触ることのないケータイ。
慣れてる人はやっぱり違うな。
渡辺「ほら。返す。」
「はい。」
私は静かにカバンへしまった。
渡辺「じゃ後で連絡する。またな。」
そう言って風のように去って行った。
私はその場に立ち尽くした。
まさか渡辺くんと連絡先交換するとは思わなかったなー。
ますます何考えてるのか分からない。
最後って言ったのに結局最後じゃないし。
でも１つ脳裏によぎったのは誰かに頼まれて私の事を騙したり利用しようとしてるんじゃないかと疑い始めていた。
そんな風には見えなかったけど、渡辺くんなら嘘とか上手そうだし。
でももう連絡先交換してしまったからには遅い。
私はゆっくりと学校を後にした。
真っ直ぐ家に帰り、ベッドへダイブ。
ピコン。
渡辺やっほー。届いた?
A届きました。
渡辺意外と返信早いじゃん。
A今ちょうど部屋でゴロゴロしてるので。
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作者名：Jasmine | 作成日時：2024年1月27日 10時
