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それから、あの時の男が隣のクラスの佐川っていう奴だと知った

彼はツッパリだけれど、喧嘩はあまり強くないみたいで

この間転校してきた三橋の舎弟になったと噂で聞いた

別に喧嘩が強くなくたって、舎弟だって私にはそんなもの関係なくて

けれど、優しい彼には私みたいな強い女じゃなくて、きっと可愛らしい女が似合うんだと思った


『三橋、これ。この間の礼』


そう言って三橋にパンの入った袋を渡す


「おー、悪ィな」
『まぁ、助かったから』


つい先日、他校の男に絡まれているところを三橋に助けてもらった

彼みたいな奴が同類というのか、よく喧嘩現場で会う


「なんスか?三橋さん助けたんスか?」


三橋に礼なんてしなくたっていいのだけれど、それを口実に佐川に会いに来ている私はズルイと思う


「まぁな。相手男だったんだけどよ、こいつほとんど一人でボッコボコにしてたから出ようか迷ったんだよ」
「いやそこは迷わず行ってくださいよ。Aちゃん女の子なんスから」
「女の子、ねぇ?」


私を見る三橋を睨んで、またこんな私を女の子だと言った佐川に胸がキュッとなった


「怪我、大丈夫?」
『まぁ・・・』


顔に怪我している女なんて全然魅力的じゃないなんてわかってる

女の子らしさなんてないって自分でも自覚してる

佐川の言葉はただの社交辞令みたいなものだ


『今度はアンタの助けなんていらないぐらい全員ボッコボコにしてやるわ』
「おー、お前ならできるよ」


そう言った三橋に「じゃあね」と言って背を向ければ


「Aちゃん!」


ガタンと音がして椅子から立った佐川


「あー・・・喧嘩はほどほどにした方がいいと思う」
『・・・』
「いや、だってほら!また怪我しちゃったら・・・痛いじゃん」
『・・・意味わかんない』


なんでそんな言葉を言うのかわからなくて、それだけ言うと歩き出した私


「お前何言ってんだよ。Aだぞ?あんな怪我なんてかすり傷だっつーの」
「いやぁ、でも・・・」


背中からそんな声が聞こえた


続→

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成田(プロフ) - 夢子さん» 夢子さん、コメントいただけるの本当に嬉しいです!!書く気力が湧き出てきます!ありがとうございます!そして大嶽くん読んでくださって嬉しいお言葉もありがとうございます!中編、近々上げられたらいいなと思っておりますので、その時はまたよろしくお願いします! (2020年8月28日 21時) (レス) id: 5763570508 (このIDを非表示/違反報告)
夢子(プロフ) - 続け様にコメントすみません、大嶽さんなかなか見かけないのですっごく嬉しいです…!いつか出るであろう中編も楽しみです!今回も最高でした〜! (2020年8月28日 16時) (レス) id: 72b9a547c8 (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - 夢子さん» こんにちは!嬉しいお言葉ありがとうございます!きゅんきゅんしていただけたなんて嬉しいです!更新がんばりますのでまた読みに来てくださると嬉しいです! (2020年8月10日 13時) (レス) id: 4c44710d84 (このIDを非表示/違反報告)
夢子(プロフ) - ハグの日とってもときめきました!どのお話もきゅんきゅんしながら読ませていただいてます、更新が楽しみです!! (2020年8月10日 8時) (レス) id: 72b9a547c8 (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - 依織さん» はじめましてこんばんは!柳くん読んでくださったんですね!ありがとうございます!!大嶽さん!!リクエストありがとうございます!また新たな挑戦楽しみです!気長に待っていただけると嬉しいです!そして嬉しいお言葉もありがとうございます! (2020年8月6日 23時) (レス) id: 4c44710d84 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:成田 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年1月24日 21時

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