キスしないと出られない部屋(相/良猛) ページ20
【今から60分以内にキスしないとここから出られません】
モニターに映し出されたそれに考えること数分
『えぇ!?』
大きな声を上げた私に顔を顰めたのは相良君だった
何故こんなことになっているのか記憶を呼び覚まそうとする。確か友達と喫茶店に行った帰りだった
それから――
それから――?
『記憶がない!』
「うるせぇよ」
『ひっ』
低い唸るような声にビクリと肩が揺れて、そーっと相良君を見てみれば案の定鋭い瞳がこちらを向いていた
『さ、相良君は……記憶…』
「ねぇよ」
『そ、そうですか……』
これからどうしようか。本当にここから出られないのだろうか
「で?」
『え?』
「覚悟できたのかよ」
『え!?』
まさか相良君はこの状況を鵜呑みにする気なのだろうか
恋人でもない私とキスなんて――
「言っておくけど俺だってテメェみてぇな女とするなんて御免なんだよ」
すると立ち上がった相良君はこちらに歩いてきて
「でも何してもやっぱドアは開かねぇし」
扉を見ると少しへこんでいるそれ。もう実践済みだったのか……
それにしてもへこんでるって…やっぱり怖い、相良君
「時間はあと15分しかねぇし」
『15分!?』
「寝過ぎなんだよ」
そうして私の目の前でしゃがんだ相良君と視線が合って
『ほ、ほんとにするの…?』
「まぁ、タイムリミット来たら何が起こるかはわからねぇけど。死ぬかもな」
『死!?』
クツクツと笑う相良くんは何がおかしいのかわからないけれど、死という言葉に恐怖心が一気に襲ってくる
もしかしたら、本当に死んでしまうかもしれない…
「で?覚悟は?」
『っ……』
「ま、タイムリミットになったらどうなるか試してみるっていうのも――」
きゅっと相良君の服を掴んで
『は、初めてなのでっ!や、優しくしてください…』
恥ずかしくて熱くなる頬と最後は消え入るような声で言った
→
467人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
成田(プロフ) - 夢子さん» 夢子さん、コメントいただけるの本当に嬉しいです!!書く気力が湧き出てきます!ありがとうございます!そして大嶽くん読んでくださって嬉しいお言葉もありがとうございます!中編、近々上げられたらいいなと思っておりますので、その時はまたよろしくお願いします! (2020年8月28日 21時) (レス) id: 5763570508 (このIDを非表示/違反報告)
夢子(プロフ) - 続け様にコメントすみません、大嶽さんなかなか見かけないのですっごく嬉しいです…!いつか出るであろう中編も楽しみです!今回も最高でした〜! (2020年8月28日 16時) (レス) id: 72b9a547c8 (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - 夢子さん» こんにちは!嬉しいお言葉ありがとうございます!きゅんきゅんしていただけたなんて嬉しいです!更新がんばりますのでまた読みに来てくださると嬉しいです! (2020年8月10日 13時) (レス) id: 4c44710d84 (このIDを非表示/違反報告)
夢子(プロフ) - ハグの日とってもときめきました!どのお話もきゅんきゅんしながら読ませていただいてます、更新が楽しみです!! (2020年8月10日 8時) (レス) id: 72b9a547c8 (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - 依織さん» はじめましてこんばんは!柳くん読んでくださったんですね!ありがとうございます!!大嶽さん!!リクエストありがとうございます!また新たな挑戦楽しみです!気長に待っていただけると嬉しいです!そして嬉しいお言葉もありがとうございます! (2020年8月6日 23時) (レス) id: 4c44710d84 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ