君を振り向かせるのは５【HQ】

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考えた。答えは出ていてもちゃんともう一度考えた


考えたけれど、答えは同じだった――…



『赤葦くん、ちょっといいかな』



体育館に戻るとそこにいなかった赤葦くんに、探せば水飲み場のところで見つけた彼


ここだともしかしたら誰かに会うかもと体育館裏まで付いてきてもらった



『昨日の返事なんだけど……』



次いつ赤葦くんと会えるかわからないから


電話やメールじゃなくて直接言わないと失礼だと思ったから



『あの、その、えっと……』
「うん」
『その、ごめん、なさい……』



赤葦くんの顔が見れない


見たくない


今どんな顔してるかなんて



『その、正直に言うね』



私が思ったこと全部



『赤葦くんが好きだって言ってくれて嬉しかった。凄く、凄く嬉しかったの。けど、なんで今なんだろって思っちゃって』



これが過去だったら


私が赤葦くんを好きだった時だったら



『私ね、夏の合宿で赤葦くんと会った時、あの頃の好きっていう気持ちがなくなっちゃってたの。多分それは赤葦くんじゃなくても好きっていう気持ちがわからなくなっちゃったんだよね』



恋愛よりも友達と一緒にいるのが楽しくて


潔子さんといるのが楽しくて



『でもね、相変わらず赤葦くんは優しいしカッコイイし、もしかしたらまた赤葦くんに恋するのかもしれないって思った』



また好きになるかもしれないって


好きになったら今度はちゃんと遠くからじゃなく近くで



『でも――…』



クロ先輩を好きになってしまった




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