・ ページ10
自販機って言っていたけど、二階の自販機でいいのかなと思いながら見えてきたそれに
人影が見えて小走りで近づいて行った
『赤葦くん』
「ごめんね、呼び出しちゃって」
『ううん。何かあった？』
「いや、ただちょっと話がしたかっただけ」
そう言って微笑んだ赤葦くんにそっかと私も微笑み返した
「ごめんね、眠いでしょ」
『ううん。実は興奮して眠れなさそうだったからどうしようかと思ってたの』
「ならよかった。他の人たちは？」
『もう寝ちゃってるよ。潔子さんが最後まで付き合ってくれてたんだけど、さっき寝ちゃって』
「そうなんだ』
そういえば最近赤葦くんと話す機会が増えたなとふと思う
こんなに話してるなんて中学の頃じゃ絶対ありえなかったのに
『ふふ』
「何？」
『ううん。なんでもない』
赤葦くんて、意外と喋りやすいんだなと思った
「今日さ、なんか木兎さんがごめんね」
『え？あぁ。大丈夫だよ」
「あの人ホント見境ないから」
『はは。私同じ学校じゃないしあんまり木兎さんのこと知らないからさ、どういう対処法が正しいのかわからないけど、ちょっとずつ慣れていけたらなって思うし。気にしないで』
「いや他校のマネージャーに迷惑掛けるのは悪いから無視していいよ、木兎さんのことは」
『はは、それはできないよ。それに…今日の木兎さんいつもと違くて、もしかしたら何かあったのかもしれないし』
「なんもないでしょ。悩みがないことが悩みなんだからあの人は」
『ふふ、何それ』
「……Aさんは、あれから大丈夫？」
『え！？』
ドキリと揺れた心臓
そういえば今日赤葦くんに涙を見られたんだった
花火の時に仁花ちゃんに意地悪言ってまた泣いてしまったけれど、そんなこと恥ずかしくて言えるわけもないから
『うん、全然大丈夫。ありがとうね』
そう言って笑う
「そう、ならよかった」
特別言うことではないけれど、優しく微笑む赤葦くんに嘘を付いているような気分になってしまって逸らした目
一瞬、静かな空気が流れて、何か話さないとと口を開こうとすれば
「前にさ、また話聞いてって言ったの、憶えてる？」
赤葦くんから先に言葉が出た
『うん、憶えてるよ』
「その、続き、聞いてくれる？」
『うん、もちろん。私でよかったら』
そう言うと赤葦くんはフッと優しく笑った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 396人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
成田(プロフ) - かおりさん» こんばんは！コメントありがとうございます！嬉しいです✨結構長かったと思うのですが一気に読んでくださったんですね！ありがとうございます！更新頑張りますので、また読んでくださると嬉しいです✨応援ありがとうございます！！ (6月26日 23時) (
レス) id: 44d50683fe (このIDを非表示/違反報告)
かおり - 最高すぎて三連休を使って一気読みしてしまいました🥹❤️続きが楽しみすぎて楽しみすぎて🥺更新大変かと思いますが応援してます☺️🫶 (6月26日 10時) (レス) @page42 id: c82b12eeb8 (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - ゆんさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけるの嬉しいです✨更新できるだけ頑張ります✨ (2023年2月8日 15時) (レス) @page2 id: 4c44710d84 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - 好きすぎて更新が待ち遠しいです😍😍どのキャラもかわいい🎀 (2023年2月8日 0時) (レス) id: d0dd043faf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
