信虎くんに懐かれました (ページ44)

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朝起きれば窓から入ってくる光と、スマホの画面に映る時刻にやっぱりあまり眠れなかったんだと知った

――Aのことが好き――

――すっげぇー好き――

『あぁもう……』

顔を手で覆って立てた膝に埋める

夢じゃ、なくて

聞いたのは二回目で

でも、酔っ払ってたし……

ブンブンと首を横に振って。とりあえず考えないようにしようとベッドから出た

ソファに行けば信虎くんがうつ伏せで寝ていて

「うぅ…頭痛ェ……」

聞こえた唸るような声

『おはよう。大丈夫？』

チラリと私を見た彼が再びソファに顔を埋めると

「はよ…飲み過ぎた……」

また唸った彼に、さっきまで色々考えていた自分がなんだか笑えた

『水と薬置いておくね』
「ん、」
『お腹は？』
「空いてない」
『わかった。じゃあもう少し寝てなね』

そう言って歩き出そうとすれば

「A、」

私を呼び止めた声

まだ何か欲しいものがあったのかとソファの横にしゃがめば顔を上げた信虎くんと瞳が合って

「おめでとうって言って？」

またあざとい顔をする

今朝方言ったのだけれどもしかしたら覚えていない……？

『お誕生日おめでとう』

だとしたら、私に言ったあの言葉も覚えていないかもしれない

「ありがと」

満足そうに笑った信虎くんに私も笑顔を返すとおやすみと言って立ち上がった