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それから相変わらずうちの前で待っている信虎くんと相変わらず会話して
土曜日の夕方、出勤前にうちに寄った信虎くんに鍵を渡した
来ていいと言っておきながら
『本当に来るの?』
「うん!」
この関係は一体なんなのかと自分自身に問いかけてしまう
『でもほら誕生日なんだし終わったら打ち上げ?とかアフター?とか』
よくわからない言葉を並べて
この一線を超えてしまっていいのかとブレーキをかける自分がいる
「A?」
信虎くんの声にハッとして上げた顔
「嫌ならちゃんと断っていいんだよ」
『…嫌じゃ、ないよ』
そう。だってただ朝方にうちに来るだけだ
何もない
ただ、私が変に意識してしまっているせい
「ほんとに?」
『ほんと』
意識しちゃダメだ
まだ信虎くんが私のこと好きだと確定したわけじゃないし
違かったらただ私が勝手に自惚れてるだけだし
『仕事頑張ってね。それと、できればあまり無理して飲み過ぎないように』
「んー、どうだろう。誕生日だからなぁ。飲み過ぎちゃうかも」
笑った信虎くんにほどほどにねと返して
「んじゃあいってきます!」
『いってらっしゃい』
彼を送り出した
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