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『簡単なものだけど』
「美味そう!」
テーブルに並べたのはオムライスとサラダ、コンソメスープで
『いただきます』
「いただきます!」
手を合わせるとオムライスを口にした
「ん!うまっ!」
『普通だよ』
「いや美味いよ!」
そう言って美味しそうに食べてくれる信虎くんに悪い気はしなくて、自然と笑みが溢れる
思えば信虎くんにはいつも笑顔にさせられている気がする
私がどんなに疲れていても、嫌なことを吐いても笑顔でいてくれるからこちらも自然とそうなってしまうんだ
『ありがとう』
「?どういたしまして?」
『ふふっ、うん』
笑えば信虎くんも笑ってくれて
「あ、そうだ俺、もうすぐ誕生日なんだけどさ」
『え?そうなの?おめでとう』
「早いよ。ありがと。土曜日に店で生誕祭やるんだけど店終わったらさ、Aに会いにここに来てもいい?」
『え?』
「店終わってからだから朝方になっちゃうんだけど、次の日俺も休みだし、誕生日はAと過ごしたいなぁーなんて…だめ?」
最後の方は遠慮がちに眉を下げて言った信虎くんはやっぱりあざとくて
「お願い!」
パンッと顔の前で手を合わせた
『えっと……いい、けど』
「マジ!?やった!」
『あ、でももしかしたら私寝てるかもしれないし誕生日だからって何か特別なことできるわけでもないし――』
「一緒にいてくれるだけで嬉しいからいいんだよ。ありがと」
そう言って柔らかく笑った信虎くんが嬉しそうにするから、思わず胸の奥がキュッと鳴った気がした
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