信虎くんに懐かれました (ページ35)

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▽ ページ35

目を覚ませばベッドの脇で眠る信虎くんがいて

まだぼーっとする頭に今何時かと時計を探したけど見当たらなくて

『信虎くん、信虎くん』

彼を起こすように肩を叩いた

「ん……」
『仕事は？』
「あー……」

グーッと伸びをして

「大丈夫。遅れるって言ってあるから」

そう言ってスマホを見た彼

『ごめん、私が風邪ひいちゃったから？』
「ううん。俺がただAと一緒にいたかっただけだし。あ、そうだ！ご飯買って来たんだ！」

コンビニ袋を持ち上げて

「プリンとゼリーとお粥！歩夢にお粥の作り方聞いたらレトルトにしとけって言うからさ」

おそらく料理をしたことだないであろう信虎くんをキッチンに立たせなかったのは正解かもしれない

歩夢くんに感謝だ

「何か食べる？」
『じゃあゼリー貰おうかな』

布団から手を出せば何故か手に乗らないゼリーは、信虎くんによってスプーンで掬われて

「はい、あーん」
『いや、自分で食べるから』
「こういう時は俺に甘えてよ」

信虎くんがたまに見せるあざといホストの顔

「はい、あーん」

それに突っ込むのも否定するのももう面倒だと大人しく口を開けた

「美味しい？」
『ん、美味しい』
「よかった」