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会社から家に帰ればやっぱり信虎くんがいて



「おかえり!」
『ただいま』



いつもと変わらない信虎くんに、今日歩夢くんに会ったことは言わない方が良さそうだと思った

この様子だと信虎くんは知らなそうだし、余計なことはしない主義だ


――邪魔だけはするなよ――


邪魔しているつもりはないけど、思えば彼はホストだ

彼に恋をしてお店に通っている女の子達はたくさんいるわけで。その子達からしてみたら私はただの邪魔者に過ぎない



「A?」
『あー…ううん、』



不思議な顔をして私を見る信虎くんになんでもないと首を振って



『じゃあー仕事いってらっしゃい』



そう言えばつまらなそうに唇を尖らせる



「すぐ行かせようとする」
『だって仕事だし』
「俺はまだAと一緒にいたいのに」
『はいはい。いってらっしゃい』



ポンポンと彼の背中を叩いて促して



『仕事、頑張ってね。でも無理はしないように』



ナンバーワンを取ることがどれだけ大変なのか私にはわからないけど、きっと無理をすることも沢山あると思うから



「心配してくれてる?」
『んー、少しね。飲み過ぎて前みたいに道端で寝てたら大変でしょ?』
「まぁ確かに。でも――Aに会えた」
『うん、そうだね』



そう言えば柔らかく笑った信虎くんは、いってきますと手を振ってから歩き出した

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作者名:成田 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年11月17日 12時

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