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会社から出ればポツリとあたった雨に傘を広げた

今日は夜から雨が降るという天気予報通り、今日も残業だろうという私の予想は当たって傘を持って出た自分に苦笑いが出た

残業残業残業

いつまでやったら仕事が終わるのよ

入社時の面接にこんなに残業あるって言ってた?

こんなの詐欺だ

ポツリポツリと傘にあたる雨音を耳にしながら、吸い込まれるように駅に入って

帰ったらお風呂入ってご飯食べてビール飲んで寝る!と頭の中でやりたいことと時間を計算して

家の最寄り駅に着くと帰り道にあるコンビニに寄った

疲れている時はストレス発散なのか脳がうまく動いていないのか必要のない物まで買っちゃって。少し重いコンビニ袋手に店を出る

家までの薄暗い道は少し怖いが、今のところ変な人も出ていないし大丈夫だろう

といつも思っていた

けど



「――むぅ……」



もうすぐ家というところで微かに聞こえた声

お化けか、変質者か

どちらにしろ心臓がドキリと鳴って

もしかしたら気のせいかもしれないと止まりかけた足を元のスピードに戻そうとすれば



「――ゆむぅー……」



もう一度聞こえた声にピタリと私の足は止まった

どうしよう、怖い、どうしよう

そっと目だけを動かして

大丈夫、誰もいない

再びゆっくり歩みを進めれば



『きゃあっ!!!』



薄暗くてわからなかったが、すぐそこで倒れている人



『え、え、なに…』



ゆっくりと近づいて。見れば若そうな男の子だった




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作者名:成田 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年11月17日 12時

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