真志井雄彦※ ページ43
真志井×年上彼女
ドアの開く音に「ただいまー」という声が聞こえて玄関に向かった。連絡してくれれば迎えに行ったのにという俺の言葉に顔を上げたAは、瞬間、何故か固まって動かなくなってしまった
何があったのか。「どうした？」と声をかけても何も反応がない
彼女の視線を辿れば俺と合っているというより少し下で。名前を呼べば、急に俺の服を掴んだ彼女は何故か泣きそうだった
「何、どうしたの」
『何それ！！』
「何が？」
そう聞いたのにキュッと唇を結んで、今にも泣きそうな瞳にだんだんと涙が溜まる
「ちょ、どうしたほんと」
『……誰』
「だから何が？」
『そのキスマーク誰の！！』
必死に涙が溢れるのを堪える彼女が何を言うのかと思えば、全く考えもしなかった返事が返って来た。心配して損したと盛大にため息を吐くとその両頬を両手で包んで持ち上げる
「ねぇ、覚えてないの？」
『え……？』
低い声にビクリと揺れた肩
そう、昨夜酔っ払った彼女が俺の上に乗って来て「雄彦くん大好き」という言葉と共に鎖骨あたりに唇を落としたんだ
痕を付けるなんて珍しいなと思いながらその行動が可愛くてAが満足するまで頭を撫でて続けていればいつの間にか聞こえた寝息。当然その後もあるだろうと思っていた俺は肩透かしを食らったのだ
次の日になれば仕事だって言ってそそくさと支度して出て行っちまうし、俺はずっとお預け状態なわけで。それなのに自分で付けたキスマークも覚えてないとか、そりゃあ声も低くなる
『えっと…私……？』
「そう。他に誰がいるの？」
『……ごめん、』
「昨日から俺はずっと我慢させられてんだけど？」
ほんのり赤く染まった頬と揺れた瞳は多分無意識なんだろうけど俺には十分過ぎるほどで、引き寄せられるように顔を近付けると唇が触れる寸前に俺の理性が働いた
「とりあえず部屋上がろっか。このままキスしたら俺多分止まらなくなるから」
『っ……』
ギリギリで保った理性に彼女の手を取ると返事も聞かずベッドへと向かって、「雄彦くん」という俺を呼ぶ声にぬるい返事だけを返した
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今年最初の短編も真志井くんになってしまいました。今年もよろしくお願いします！
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成田(プロフ) - evifryさん» こんばんは。コメント嬉し過ぎてニヤニヤが止まりません。ありがとうございます！ビンゾーくん長編も読んでくださっているんですね！嬉しいです！轟くんの長編、そんな嬉しい事言ってくださるなんて…！少し落ち着いたら頑張って続きを考えてみようかなと思います！！ (2022年12月12日 23時) (
レス) id: 4c44710d84 (このIDを非表示/違反報告)
evifry(プロフ) - コメント失礼します…成田さんの愛されがとっても好きで、ビンゾーくんの長編も更新すごく楽しみにしている者です。轟洋介の長編、是非機会がありましたら公開していただければと思います…！何卒…！何卒よろしくお願いいたします…！！！ (2022年12月12日 18時) (レス) @page19 id: 5d6115b8aa (このIDを非表示/違反報告)
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