HiGH&LOW 短編集（ハイロー）

今日は彼の誕生日（宮内幸三）※ ページ29

「そういやぁ今日俺誕生日だ」



私の隣でカップケーキを食べるビンゾーくんがふとそんなことを言ったから



『え！？今日！？』



思わず大きな声が出てしまった



「そ」
『え、どうしよう』
「何が？」
『何も用意してない』
「別にいいよ」
『でも……』



誕生日なんて一年に一度しかないのだからお祝いしたいのは当たり前で

好きな人なら尚更だ



「まぁ俺も忘れてたし」



笑うビンゾーくんの腕をキュッと引っ張って



『幸三くん、お誕生日おめでとう』



今私のできる限りのお祝いの言葉を言えば



「ん、」



嬉しそうに笑ってくれた彼

すると手が伸びて来て後頭部に回ると触れた唇

ゆっくりと離れて合った瞳に

いつもはこれでおしまいだけど

誕生日だからと今度は自分から唇を寄せた

こんなことは初めてでいつもするキスよりもドキドキして、そっと離した唇に目を開ければ目をパチパチとさせて驚いた彼がいて



『お誕生日、だから……』
「……食う」
『え？』
「今すぐ食う」
『ちょ……』



押された肩に地面に着いた背中



『ま、ま、ま待って！ここ、学校だからっ！』
「やだ」



色の入った瞳をさせた彼にもう何を言ってもきかなくて

甘い、甘いキスが降って来た




――今日はビンゾーくんの誕生日――






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ビンゾーくん(中の人も)お誕生日おめでとうございます！

いつか書く長編その後のイメージ

勝手な妄想ですが、彼って逃げられないように後頭部ホールドして食べちゃいそうなキスをすると思うんですよ(希望

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