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黒尾side
宿泊所に着くと荷物を置いて早速風呂に入った俺達
風呂から上がると食堂でAさんがせっせと夕飯の支度をしていた
「Aさんの飯だっ」
そう言ってガッツポーズをする山本は置いておいて、彼女も疲れただろうに悪いことをしたなと思いすぐに調理場へ行く
「Aさん、悪ィ、全然気づかないで」
『いえ!……って、誰ですか!?」
一瞬俺の顔を見て止まったと思ったら驚いたAさん
「え、黒尾です。黒尾先輩です」
『え、あ、黒尾先輩!髪型違うんでびっくりしました…どうしたんですかそれ』
「風呂入ったからね、こうなった」
『そうですか…』
「それで、何か手伝うけど?」
『え、本当ですか!?できれば手伝ってくださるととても嬉しいです』
まだそんなに一緒にいたわけじゃないけど彼女から何かを頼んできたのは初めてで少し嬉しくなった
「あぁ、何すればいい?」
『お疲れのところすいません。私料理苦手で。えっとサラダお願いしてもいいですか?』
「わかった」
「あ、俺も手伝いますよ?じゃが芋の皮とか剥きます?」
そう言ってきたのは犬岡
包丁片手にスルスルと剥く様は意外で驚いた
結局全員が手伝う形となり、できた夕飯はカレーにサラダ
『手伝ってもらってすいません』
誰も嫌だなんて思わないのにAさんは申し訳なさそうに謝る
それからまた皆で後片付けをして、やっと風呂に行ったAさん
俺らは部屋でそれぞれ好きなことをしていた
「はぁ……Aさんと一つ屋根の下かぁ…」
「一つ屋根の下って言っても離れてますけどね」
「うるせぇ芝山!それでも一つ屋根の下にはかわりねぇだろ!」
「うるせぇよ山本」
俺ら男は全員で大部屋で監督とコーチが一緒、当然ながらAさんは一人部屋となった
一人ということに嫌な顔をしていたけれど仕方がない。こういう時もう一人マネージャーがいた方がよかったのかなと思う
「なぁ研磨、お前Aさんと隣の席なんだろ?普段どんな感じだよ」
「どんなって言われても普通だよ」
「教科書忘れたら席くっつけて見せてもらったりしてんのか?」
「いや、しないよ。まず忘れないし」
「昼飯は?」
「友達と食べてるみたいだけど…っていうか直接聞けば?」
「聞けねーからお前に聞いてんだよ!」
騒がしくなった山本にため息をつけば、コンコンとノックされたドア
監督か?と立ち上がってドアを開ければ、そこには何故かAさんがいた
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