君を振り向かせるのは【HQ】 (ページ18)

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黒尾side

『え！？遠征！？』

あの後どうにか士気が上がった奴ら(特に山本)にとりあえず一安心して今日の部活を終えると、オレンジ色に染まる体育館にAさんの声が響いた

『しかもゴールデンウィークって…明日からなんですけど！？』
「うむ」
『えっと、もちろんあれですよね…？私も行かないといけないですよね？』
「マネージャーだからな」
『っ…』

監督と話すAさんの顔の絶望感が凄くて、多分今マネージャーになったことを後悔しているに違いない

『しかもよりによって最終日に被ってるなんて…』
「何か用事でもあったか？」
『友達とケーキバイキングに……』
「仕方ないなそれは」

落ち込むAさんがだんだん可哀そうになってきた。入部する前に教えてあげればよかったかな

そして……

「黒尾さーん！！！俺も行きたい俺も行きたい俺も行きたい！！」

リエーフがスゲェうるせぇ

「しょうがないだろ、もう決まったことなんだから」
「Aさんが行くなら俺も！！」
「だから――」
「どんまいリエーフ」

そう言ってリエーフの肩を叩いた山本は遠征に行けるからか、勝ち誇ったかのようなドヤ顔具合うぜぇ

「猛虎さんズルイです！！」
「実力の差だ」
「ズルイズルイズルイズルイ！！」
「うるせぇリエーフ！！だったらもっとレシーブ力付けてから言え！！」

再び始まったリエーフの駄々こねにとうとうキレたのは夜久

「実力がない奴が練習試合に連れて行ってもらえると思うな！！このドへたくそ！！」
「夜久さん酷い！」
「オラ！レシーブ練やんぞ！！」

そう言ってリエーフを連れて行った夜久に一つ息を吐いて再びAさんを見やれば

こっちはこっちで負のオーラが漂っていた

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