2 マネージャー ページ14
次の日、私の中の結果は意外と簡単に出た
そのことに自分でも少し驚いているけれど
監督や主将の言葉と
その中にマーネージャーがいないという同情心もきっと含まれていて
とにかく結果はとりあえずやってみようかなという軽いものだけど、結果は結果だ
『ごめんね弧爪くん』
「いいよ別に」
そう言った弧爪くんの言葉には、本当は面倒だけどマネージャーになるならみんなが喜ぶからという言葉がきっと含まれている
そう、私は今マネージャーとして男子バレー部に入部する為に三年の主将、黒尾先輩に入部届を出しに行こうと思って弧爪くんに付いてきてもらっているのだ
三年生の教室なんて未知の世界だし、転校してきたばかりで場所もよくわからない
それに昨日の帰り、駅まで一緒に行った二人は結局電車も一緒で
話を聞けば隣の駅だと言うし、しかも弧爪くんと黒尾先輩は幼馴染だというじゃないか
三年生に会いに行くのにこんなに心強い味方はいないと思う
『三年生の廊下ってなんか変に緊張するね』
「そうだね」
『なんか凄い注目浴びてる気がするし……』
「あー、それはAさんだからじゃない?」
そう言ってどんどんと歩き出す弧爪くんの言っている意味がわからなくて
もしかして自意識過剰なんじゃないかと言われたのかもしれないと、小走りで弧爪くんに付いて行った
「あの、クロ…黒尾さんいますか?」
3年5組と書かれたそこで緊張しただろうに、知らない先輩に声をかける弧爪くん
「黒尾ー!呼んでるぞー」
先輩の声に少しだけ顔を出して中を覗けば、窓際にいた黒尾先輩と目が合って
ガタンと勢いよく立ち上がった先輩は慌てたように私達の目の前に来た
「あれ、どうした、二人共」
「Aさんがクロに話があるって」
「え、な、何?」
『あ、えっと、昨日はありがとうございました。それで、色々と考えたんですけど…』
そう言ってポケットから出した入部届
『とりあえず、やってみようかなと思いまして…マネージャー』
「え、マジで?」
『はい』
「あ、じゃあ、これ預かるわ」
『はい、よろしくお願いします』
驚いている黒尾先輩に一つ頭を下げて、弧爪くんに行こうと促せば
「よかったね、クロ」
そう一言言った弧爪くんと共に二年の教室へ戻って行った
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