なんでもない日常のひとこま ページ31
【なんでもない日常のひとこま】
「Aちゃん！」
『伊藤くん』
放課後、商店街通りにある待ち合わせ場所に来たのはツンツン頭の伊藤くんで
その後ろには金髪の彼の友達三橋くんと、多分彼女の理子さん
「ごめんね、待った？」
『ううん』
首を横に振れば柔らかく笑った伊藤くんに私も笑って
「ちょっと三ちゃん」
理子さんの声に振り向くと、思わずビクリと肩が揺れるほど三橋さんが怖い顔をしていた
「なんだよ三橋」
「気に入らねぇ……」
「はぁ？」
「なんで……伊藤にこんな…このツッパリ野郎が！」
「オメーもだろ」
「だいたいさ、Aちゃんツッパリ嫌いだったんじゃないの？」
『え！？あ、はい……』
いきなり話しかけられたことに驚いたけれど、そう言えば「うっ…」と胸を押さえた伊藤くん
「こいつツッパリだけど。いいの？見るからにツッパリだけど」
「やめなさいよ三ちゃん。いいのよAちゃんはツッパリの伊藤ちゃんでもいいって言ってるんだから。そうよね？」
『え！？あ、はい……』
改めて言われるとなんだか恥ずかしくて
「でもコイツはどっからどう見てもツッパリだし、凶暴で悪いやつなのに！」
「三橋、テメェ……」
「ツッパリが“大っ嫌い”なAちゃんはいいのかなって思って」
「もう三ちゃん！」
頬を膨らませる理子さんとそっぽを向く三橋さんに、伊藤くんは俯いていて
『い、伊藤くん……？』
顔を覗き込めば合った瞳
『私は伊藤くんがツッパリでも、例え誰かに悪い奴だって言われても優しい伊藤くんを知ってるから……』
だから
『嫌いになんてならないよ……？』
「Aちゃん」
顔を上げた伊藤くんに微笑めば、返してくれて
「…伊藤の野郎……」
「ほら行くわよ、三ちゃん」
理子さんに引っ張られながら去って行く三橋さんに
『私達も行こっか』
そう言えば、差し出された大きな手
その手に自分の手を重ねて、合った瞳にお互い笑って
「今日は何食べようか」
『チョコレートパフェ！』
二人で喫茶店へ向かって歩き出した
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お話は完結していますが、なんとなく書きたいなと思ったので追加で書きました
短編としても良いかなと思ったのですが、こちらに上げます
終わり
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成田(プロフ) - わらびもち子さん» わらびもち子さん！コメント、完結ありがとうございます！お話たまに読ませてもらっております！ 相良くんの連載も読んでくださっているなんて嬉しいです！ありがとうございます！こちらもまたお話読みに行かせていただきます！ (2018年12月16日 22時) (
レス) id: 9a366f7078 (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - あべまさん» コメントありがとうございます！そして最後まで読んでくださり、嬉しいお言葉ありがとうございます！キュンキュンしてくださったとは！嬉しすぎます・・・！！本当にありがとうございます！ (2018年12月16日 22時) (レス) id: 9a366f7078 (このIDを非表示/違反報告)
わらびもち子(プロフ) - 完結おめでとうございます！伊藤君がヘタレでかっこよくて最高でした。相良君の連載も楽しみにしています！ (2018年12月16日 19時) (レス) id: 8a68cf3e08 (このIDを非表示/違反報告)
あべま - すごくおもしろかったです！！青春ですねー！月がきれいのくだりきゅんきゅんしました。すてきな作品ありがとうございました！ (2018年12月16日 14時) (レス) id: 8be06f6a50 (このIDを非表示/違反報告)
成田(プロフ) - 蓮己さん» コメントありがとうございます！あぁ、そんな、泣いてしまうなんて…ありがとうございます！！真っ直ぐで優しい伊藤くんは本当に素敵ですよね！ (2018年12月13日 22時) (レス) id: 9a366f7078 (このIDを非表示/違反報告)
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